501回目 暇つぶしと唯一の娯楽としての、ダンジョン潰し 4
レベルが上がり、能力が高まる。
それによって、必要な技術を身につけていく。
『長寿』を得るために。
そこに辿りつく道はトモルが見つけている。
寄り道は一切しない。
レベルを先に上げてるのは、技術のレベルをあげやすくするためだ。
能力値が高いと、技術レベルもあげやすい。
この為、先に総合レベルをあげて、それから技術を伸ばすようにしていた。
その方が効率が良い。
女房達はそれに従っていく。
トモルについてまわって総合レベルを上げていく。
それから必要な技術をとり、それを成長させていく。
一見遠回りにみえて、これが一番の近道だ。
女房達は少しずつ『長寿』に向けて歩み続けていく。
そうしてる間にも、モンスターの巣が消えていく。
ダンジョン化してるものは次々と壊滅していく。
これにより、他国において高レベルの人間が育ちにくくなっていく。
対立する可能性のある者達の戦力を削る。
その目的も達成していった。
そうして各地のダンジョンを軒並み潰していく。
女房達のレベルも格段に上昇していっている。
既に伝説や伝承の領域にまで突入していた。
ダンジョン破壊を始めて1年。
ありえないほどの速度で女房達のレベルは上がった。
『長寿』に必要な技術も手に入れた。
あとはそれぞれの技術を上げていくだけになる。
それから2年。
めでたく女房は『長寿』を手に入れる。
トモルの目的の一つはここに達成された。
だが、ダンジョンはまだ残ってる。
それらを放置するわけにもいかない。
大陸の人類側の版図に存在するものを、残らず潰していく。
この時期、人類の勢力圏にあるモンスターの巣が一気に消滅していく。
これにより、モンスターという脅威から大幅に解放される。
今までモンスター対策に向けていた資源や労力。
これらを他の方面に使っていく。
人類の大半は、ようやく恐怖から解放された世界に入ろうとしていた。
同時に、冒険者達は大幅に失業していく事になる。
それらは他の仕事への転職を余儀なくされていく。
働き口があればそれで問題なく事は終わる。
だが、一気に大量の人間が職にあぶれるのだ。
労働市場で受け入れきれるものではない。
そして武装集団が職にあぶれればどうなるか。
それは既に示されている。
武装強盗団となり、あちこちで猛威を振るう。
少しでもモンスターの巣が残ってれば、そちらに移動も出来ただろう。
だが、それらもほとんど残ってない。
となれば、食い扶持を求めて暴れるしかない。
あちこちで騒動が起こり、騒乱になり、動乱が始まっていく。
大陸のあちこちで火種がくすぶり始めた。




