50回目 そこまでやるつもりは無かったが学校支配をしていく
更にトモルは舎監達から学校の運営陣についても情報を聞き出していく。
今後自分の行動を通すためにも必要になる。
交渉を有利に進めるためにも弱みは握っておきたい。
一々殴りつけて言う事を聞かせるのも面倒くさい。
それよりも弱点をついてさっさと意のままにした方が早い。
その為の情報源を上手く手に入れる事が出来た。
絶体絶命の危機は絶好の機会になる事もあるというが、この時の状況はまさにその通りだった。
一通り情報を吐き出させたトモルは、舎監と上級生を解放した。
もちろん新入生達も。
その際に彼等に要望も伝えていく。
「舎監は今後も俺に学校側の動きを伝えろ。
上級生は上から学校をまとめて、俺らに不毛な事をさせないよう生徒に釘を刺しておけ」
舎監と上級生は素直に首を縦にふる。
何度も何度も。
「新入生は俺に絡んでくるな。
今回はお前らを助ける形になったけど、お前らを守ってやるつもりもない。
俺にすがって助けてもらおうと思うな。
お願いの形で、あれをやれこれをやれなんて言ってくるな。
面倒はお前らの手で解決しろ」
「う…………」
「それは…………」
「ええ…………」
「分かったのか?」
「は、はい!」
望んだ返事にトモルは満足をした。
「それと、俺がやれって言ったら何でもやれ。
断ったらどうなるか分かってるな?」
「…………」
全員蒼白になっていく。
そう言われて逆らう事が出来るわけもない。
「分かりました……」
「そうします……」
全員、うなだれていく。
それは舎監や上級生達だけではない。
助かったはずの新入生達もだ。
何の事は無い、この中における、学校内における上下関係が変わっただけなのだから。
舎監や上級生からトモルに。
権力がそちらに移動しただけである。
それでも誰も文句は言えなかった。
言って地獄を見るつもりには誰もなれなかった。
こうしてトモルは、一晩にして寄宿舎を制圧した。
おかげでそれ以降の活動がとてもやりやすくなった。
舎監を通して教師や運営者などの情報も手に入る。
上級生を通して生徒間の情報が手に入る。
それらが今後の行動を策定しやすくさせていった。
鬱陶しく面倒な上級生の歓迎会だった。
しかし、おかげでトモルは労せずして学校内における頂点に立つ事が出来た。
 




