499回目 暇つぶしと唯一の娯楽としての、ダンジョン潰し 2
思い立ったが吉日。
トモルは早速ダンジョン巡りを始めた。
いつものように能力強化の魔術を使って、ダンジョンに向かって走っていく。
しかし、即座にダンジョン破壊にうつるわけではない。
ダンジョンの近くに発信器となる魔術装置を設置。
転移魔術の目印を作って次のダンジョンへと向かう。
ダンジョン破壊のついでにやりたい事があったからだ。
そうしてあちこちのダンジョンの場所を確認し終える。
そこでトモルは一旦自分の家に転移する。
待たせてる女房達を回収するために。
「お待たせ」
二日ほど家を空けていたトモルは、待っていた女房達に声をかける。
「それじゃ、行こうか」
すぐさま外に連れ出していく。
そんなトモルに、
「しょうがないわね」
女房達は苦笑しながら続いた。
今回のダンジョン破壊。
それを実施するにあたり、トモルは女房も付き添わせる事にした。
経験値を稼いでレベルを上げる為だ。
それにより、手にしてほしい技術があった。
「目標は、『長寿』の修得。
そこまで頑張るぞ」
ダンジョン破壊のついでにやるのがこれだ。
技術として得られる『長寿』
これは文字通りの効果を発揮する。
すなわち、通常より長生きする事が可能になる。
もちろん栄養状態や健康状態次第ではある。
それでも、通常の数倍くらいは長生き出来る。
同時に、細胞の活性化などもなされる。
つまり、若いままの状態で長く生きる事が出来る。
レベルが極限まであがったトモルは、この技術を発見した。
そして、この技術で伴侶にも一緒に長く生きてほしいと願った。
長生きは生命を持つ者の願いだろう。
だが、自分一人だけ長生きするのも悲しいものがある。
なのでトモルは女房にも同じように長く生きてほしかった。
一緒にいつまでも。
その為にはレベルアップを施さねばならない。
だからダンジョン破壊のついでに、女房のレベルを上げる事にした。
もともと、必要な技術や能力を得るために、レベルはある程度上がってる。
その後押しをすればいい。
とはいえ、長寿は身につけるのにそれなりの条件が必要になる。
前提条件になる技術がたくさんある。
それらがレベルが一定以上でなくてはならない。
まして、トモルと違って女房達は、一般的な能力値の持ち主だ。
上手くいくかも分からない。
それでもトモルは、可能性にかけて女房を連れ回す。
こうでもしないと、一緒の時間をなかなかとれないというのもある。
どうせなら、夫婦旅行も兼ねようと思いもした。
ずいぶんと物騒な旅行内容であるが。
もちろん、若返った女房とその場で即座にいちゃつくのも目的だ。
そういう下心を含めて、トモルは今回のダンジョン巡りを行う事にした。




