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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第13章

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491回目 本格的な隣国との戦争 6

 さて、隣国だが。

 こちらの悲惨さは言うまでもない。

 その様子もあえて語っていこう。

 ヒライワツミ王国とも関係が少しはあるのだから。



 国土の多くを失った隣国達は、すぐに窮乏に苦しむ事になる。

 何せ、国土は大幅に減少。

 産業もそれにあわせて縮小。

 そのくせ、失った国土にいた生き残りを回収せねばならない。

 かつての人口の多くは失われたが、残った領土で養うには多すぎる人数をだ。

 何もかもが足りなくなるのは当然。



 その為、隣国は国内で様々な争いが生まれる事になる。

 残った数少ない物資。

 あるいは土地。

 その奪い合いが始まる。



 それを取り締まりはするが、決して解決する事は無い。

 何もかもが足りないのだから。

 根本的な原因が解消されない限り、問題が無くなるわけが無い。



 しかもヒライワツミ王国はあらゆる接触を拒否。

 交渉など出来ない。

 当然そこには交易も含まれる。

 せめて食い物だけでも輸入できれば良いのだが、それも出来ない。



 隣国は一気に貧困国となっていた。



 これを見て、隣国人も動き出す。

 ある者は、ヒライワツミ王国に潜入。

 空き地を見つけて住み込もうとする。

 そこを耕して、食い扶持を得るために。

 あるいは、工房を建てて、何かを作り出したり。

 そうして食い扶持を得ようとした。



 しかし、科学と魔術の警戒をしいてるヒライワツミ王国である。

 そういった者はすぐに発見、捕らえていく。

 そして、隣国に送り返す。

 処刑して殺すなんてしない。

 そんな事をしたら、隣国の負担を減らす事になる。



 少しでも騒動の種を残す。

 その為に可能な限り生かして捕らえ、隣国に送り返す。



 また、そうした捕獲も時期を見て行う。

 例えば、農作物の収穫間近の時期などに。

 自分たちの作った成果。

 それを根こそぎ奪っていく。

 やっていた事が全て徒労だと分からせる。

 そうして隣国民は、費やした時間と労力を全て奪われていく。



 隣国はこうして痩せ衰えていく。

 国内では絶えず暴動が起こり、統治どころではない。

 侵略を受けずとも、絶えず滅亡の危機にさらされ続けていく。



 それでもヒライワツミ王国は、弱小化した隣国を直接滅ぼそうとはしなかった。

 まだ隣国にもそれなりの価値があるからだ。



 この大陸にある国は、ヒライワツミ王国と隣国だけではない。

 隣国の向こう側には別の国がある。

 それらと国境を直接接するのは都合が悪い。

 間に緩衝地帯が欲しい。



 隣国はその緩衝地帯・緩衝材に適している。

 その役目があるから、殲滅はしない。

 やろうと思えば出来るが、それによる損失の方が大きい。



 かなり困窮してるので、もしかしたら自滅するかもしれない。

 自然と衰退していって、消え去るかもしれない。

 それなら仕方が無いが、存続してる間は利用価値がある。

 だからヒライワツミ王国は隣国を攻め滅ばさない。



 隣国の向こう側にある国からしても同じだ。

 下手にヒライワツミ王国と事を構えたくない。

 今回の戦争で大陸最大国になったのだ。

 そんな国と国境を接したくない。

 間に緩衝材があるなら、それを有効活用したい。



 かくて周辺国の思惑によって、隣国達は生かされる事になる。

 何の援助も与えられる事なく。

 ヒライワツミ王国は支援する理由がない。

 他国もわざわざ支援してヒライワツミ王国ににらまれたくない。

 そんな思惑の狭間で、隣国達はすり減らされていく。



 やがて餓死者を大量発生させ。

 それによりどうにか養えるだけの人口に落ち着き。

 そこでようやく隣国は平穏を取り戻し始めた。

 多大なる犠牲を出して。

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