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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第13章

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488/531

488回目 本格的な隣国との戦争 3

 戦争の形は様々だ。

 相手を殲滅する、制圧する。

 それが戦争、それが戦争の目的。

 だとするならばだ。

 それは何も軍勢を繰り出す事だけではない。



 計略や謀略によって相手の国を混乱させる。

 暴動や事件を多発させる。

 国力を低下させる。

 国民一人一人のやる気を消して、生産性を落とす。

 こういった事も戦争の手段になる。

 どれをとっても、相手国を衰退させる事になるのだから。



 そもそもとして、軍勢の役割も敵の排除である。

 相手に国を衰退させる事にある。

 その為の手段が軍勢か計略・謀略になるかの違いだ。



 また、軍勢も敵が衰退してから動かした方が効果が高い。

 最終的に武力制圧になるにしても、事前の準備として計略・謀略は有効だ。

 この事前準備も含めて、戦争と呼ばれるものと言えるだろう。



 そう考えれば、今のヒライワツミ王国は戦争状態に突入している。

 隣国との熾烈な争いをしている。

 国力の低下や衰退を巡った争いをしている。

 これが進んでどちらかの力が大きく落ちれば、次は軍事侵攻になる。

「それが敵の狙いなんでしょう」

 トモルはそう考える。



「軍勢の強さでは、我々の方が大きく上回ってます。

 それを覆すのは難しい。

 ならば、我々の国力を可能な限り低下させる。

 そうして軍勢の動きを落としていく」

「その上で侵攻か」

「その通りです」

 タカヤスの声に頷く。



 たとえ優秀な武器があっても、それを使えなければどうしようもない。

 武器や弾薬の補充がなければ、銃器も無駄になる。

 燃料がなければ、自動車などは動かない。

 それらの供給が滞るだけでもいい。

 動きは大きく制限される。



 そうなれば多少は勝ち目も上がる。

 剣と弓矢と魔術でもどうにか勝てる可能性が出てくる。

「敵が狙ってるのはそこでしょう」

 その為に、後方攪乱を行なっている。



 工場が、輸送が滞ればいい。

 そうなれば、軍勢への補給や補充が滞る。

 国民が戦争に反対と叫べばいい。

 侵攻されても戦う事を国民が拒否すれば、防衛は難しくなる。

 そうなるように教育する、洗脳していく。

 それによって、国としてまとまった行動が出来なくなる。

「それを狙ってるんでしょう」



 戦争の準備としてはなかなかだ。

 戦わずして有利な状況を作り出そうとしている。

 何の対策もしないでいたら、ヒライワツミ王国は戦う力を失っていただろう。

 実際、国内の敵勢力から手に入れた情報などからそれがうかがえる。

 隣国が侵攻を開始したら、反戦運動を行うようにと。



「ようは、国内で暴動を起こす。

 それで前線に向ける戦力を減らす。

 そんなところでしょう」

 治安機関だけで対処出来るなら良い。

 しかし、それが各地で大量に起こったらどうなるか。

 場合によっては軍を差し向けねばならなくなる。

「そうなったら、前線の兵力も減少。

 戦闘力の低下は避けられません」



 また、隣国が攻め込んだ場合の対応も指示されている。

 もし隣国が攻め込んだら、この軍勢を歓迎するように。

 そう動くよう指示が出されていた。



「軍勢に抵抗する事無く従い、無駄な争いを起こさない。

 それだけで、侵攻は円滑に進みますからね」

 現地人が協力的なら、侵略者は助かる。

 その為にも、独立の意思など持ってもらっては困る。

「そこも徹底的に潰そうとしてたようです」



 様々な手段を使って、戦争を有利に進めようとしている。

 その事がしっかりと伝わってくる。

 敵はかなり本腰を入れて暗躍をしていた。

「どうすればいい?」

 タカヤスは尋ねる。

 この状況を打破する方法を。



「戦争」

 トモルの答えは短いものだった。

「ここまでされてるんです。

 もう、攻め込んで滅ぼした方がいいでしょう」

「それしかないか」

「他に思いつきません」



 もうここまで来てるのだ。

 やるしかなかった。

 そうして相手を壊滅させるしかない。

 でなければ、この状態が延々と続く。

 それはそれで効率が悪い。

 諜報戦に人も金も手間も注ぐ事になる。



「そうしない為にも、戦争です。

 それで敵を殲滅します」

 攻撃してくるなら、そいつを殺すしかない。

 そうすれば、二度と煩わされる事はない。

「やむをえんか」

 タカヤスも腹をくくる。

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