478回目 一極集中から、全体の底上げへ 4
そうした混乱を見せつつも、発展そのものは進んでいく。
どうしても出てくる格差などは解消しようがない。
時間の流れの中で落ち着いていくのを待つだけだ。
そうした負の側面を抱えつつも、発展は続く。
止まるわけにはいかないのだから。
何はともあれ、この先の事も考えていく。
現状をもとに、今後何をしていくかを。
何はともあれ、人口は拡大している。
それをもとにすれば、モンスター領域の更なる拡大も可能だ。
そうして切り開いた地域になにを作っていくのか。
そうした事を考えていく。
また、資源の獲得も考えていく。
一応、必要な資源はある程度確保してある。
しかし、モンスターの領域を切り開く事が出来れば、新たな地下資源も獲得出来る。
現在の段階ではまだ着手出来てない資源もある。
それらを手に入れる事も視野に入れていく。
人材育成も欠かせない。
学校も高等教育や大学などの拡大を考えていく。
研究機関の設立も視野に入る。
現在存在するものの拡大も含めて。
それらとは別に新規に設立する事も考えていく。
トモルとしてはありがたい事に、パソコンもそろそろ視野に入ってきた。
それにより、手書きから解放される。
理論などはキーボード入力で行えるようになる。
図面などはともかく、これでまだ頭の中にとどまってる理論を外に出せるようになる。
手始めにタイプライターの開発をしていく。
これにより、文字入力はかなり速くなった。
使えるのが、いわゆる片仮名や平仮名といったものだけになるが。
それでも、入力速度の向上は確かだ。
おかげで様々な理論を出していけるようになった。
それを基にして科学は更に発展していく。
トモル以外にも研究者はいて、それらも様々な理論を打ち出しているのだが。
どうしてもトモルにはかなわない。
土台の能力が違うのだから仕方が無い。
その為、今はまだトモルが全てを牽引する形になってしまっている。
トモルとしてもどうにか改善したいのだが、これはどうにもならなかった。
幸いなのは、研究者達もそれは納得してる事だった。
能力が違うのなら仕方が無いと。
なので、先端分野はトモルに任せている。
研究者達はその先端からなにが派生するかを探っていく。
そうして探っていくうちに、新たな考えに到達する事もある。
なので、これはこれでやりがいのある物になっていた。
そうしてトモルの領地は発展していく。
理論段階では既に他の地域や国を大きく引き離してる。
そういった理論から作り上げられる具体的な技術もだ。
さすがに理論を形にするのは時間と手間がかかる。
だが、それらも恐るべき早さで出来上がっていく。
本来なら様々な試行錯誤が必要な事。
それをすっ飛ばして答えが提示されてるのだから当然だろう。
地球でならば、10年20年かかって検証した事が、数ヶ月で完了する事もあるのだ。
そんなトモルの領域において、発展は止まることなく続いていく。




