475回目 一極集中から、全体の底上げへ
「さーて、どうすっかな」
ヒライワツミ王国から藤園を排除した。
完全に駆除するまでまだ時間はかかるが、それでも大きな影響力はなくなった。
「…………これでようやく思い通りに出来る」
そう漏らすトモルは、感動に心を震わせていく。
国内の統治機構の整備。
隣国との関係。
それらを考えれば、決して良いことばかりではない。
だが、邪魔者はいない。
それだけでもありがたい。
とはいえ、藤園がいなくなれば全て解決するわけではない。
鬱陶しい奴が消えれば、別の誰かが鬱陶しい存在になる。
人間なんてそんなものだ。
だからこそ、色々と気をつけねばならない。
とはいえ、それでも邪魔者は消えた。
それは確かだ。
もう誰にも邪魔されない。
それだけでも十分だった。
「それじゃ、やるか」
国内の騒動に費やしていた分を、トモルは自分の趣味に費やしていく。
滞りがちになってた国内開発。
モンスター領域を切り開いて作った自分の領地。
そこの開発と開拓を進めていく。
とりあえず軍需はしばらく必要ない。
隣国などを相手にするなら、現状で十分である。
そちらに振り向けていた生産力を、民需に回していく。
「これで生活が楽になる」
とにかく、家電製品の充実。
それを支える社会基盤の充実。
それをとにかく進めていく。
軍需が減って民需が増えた事で、それが加速していく。
今まではとにかく首都の一極集中ですすめてきた。
限られた資源や資本を効果的に使うにはそうするしかなかった。
そこが発展して、工業力や経済力を底上げしないと、周辺に拡散させていけないからだ。
それの拡散をする時がついにやってきた。
これまで出来なかった事を、一気に進めていく。
道路の舗装から始まり、各地に上下水道の設置。
電気とガスの普及。
家電製品の導入。
新しい設計・建築技術による、家屋の更新。
これらが一気に進んでいく。
それまで首都以外は、いまだ産業革命前後の水準だった。
それが戦争終結から一気に改善されていく。
今まで首都にだけあったものが、次々にひろまっていく。
それにより、生活水準が向上。
ならびに労働生産性も向上。
その結果として、収入が増大していった。
収入の増大といっても、単純に手取りの金銭が増大したわけではない。
大量生産による値段の低下。
それによって同じ手取りでも買えるものが増えていった。
給料据え置きで、物価が低下したのだ。
トモルの領地全体で社会水準が上昇したのが大きい。
全体が豊かになることで、周辺部も購買層になっていった。
これにより商品の大量生産が始まる。
売れ残る可能性が低下してるとなれば、数多く作っていける。
薄利多売になるが、利益は確保出来る。
それが社会全体に様々な製品を普及させていく。




