471回目 防衛戦、その為の準備
国内の状況を嘆いてばかりもいられない。
攻め込んでくるなら守りを固めねばならない。
その為の準備を進めていく。
何にしても兵隊は必要になる。
その為、冒険者から何から可能な限りの動員をかけていく。
頭数をこれでどうにか調達する。
それらに配備する兵器も充実させていく。
銃に手榴弾にその他諸々。
とにかく大量生産をしていく。
同時に、それらの刷新や更新もはかっていく。
前回の戦争の時よりも、科学は発展している。
わずか3年であるが、トモルによって普通ならありえない発展を遂げている。
前回は間に合わなかった新兵器も出来上がってる。
それを惜しげもなく投入していく。
銃は連射が可能な突撃銃に。
手榴弾だけでなく、それを発射する擲弾筒も。
歩兵が携帯できる砲である迫撃砲も用意される。
戦闘車両も大きく変わっていく。
前回は鉄板を貼り付けた一般自動車のような装甲車だったが。
今回は専用に設計されたものが投入される。
履帯をはいた、戦車のような形状の装甲車だ。
今回の装甲車は幾つかの派生がある。
基本となる、箱形をした兵員輸送型。
それに回転砲塔をつけた戦車型。
更に大口径の砲を固定して搭載した自走砲型。
これらにより、機甲戦力が揃えられていく。
また、空にはようやく実用化が出来た飛行機が飛んでいる。
いずれもプロペラで飛ぶ複葉機だ。
性能はジェットに遠く及ばない。
しかし、空を飛ぶという絶対の優位性をトモル達は手にした。
輸送を担うトラックなどの性能も向上している。
積載量・最高速度などは3年前より大きく向上した。
弓や槍が主力の藤園に比べれば、大きな差になっている。
正面からぶつかれば、間違いなく勝てる。
これらを今、あちこちに配備していってる最中だった。
土木作業用の工事車両なども増産されている。
それらが、各地の防御陣地の構築で力を発揮している。
数で劣るトモル・タカヤス側は、敵に攻め込む余力が少ない。
なので、拠点を作って防衛する必要がある。
そういったところで土木・建築作業車両が活躍している。
そして。
各地の王族領で武器の生産も行われていく。
主要な場所では十分な火力が配備されている。
依然として火縄銃が主力だが、それでもこの世界では圧倒的火力だ。
その発展や派生として大砲も作られている。
それらが拠点防衛に用いられる事になっている。
藤園が攻め込んできた時への備えだ。
王族も自分たちが無関係でいられるとは思ってない。
政治的にどう利用されるか分からないからだ。
その為、最低限の防衛は出来るようにしている。
そうして戦争に向けた準備をしていく。
押し寄せる藤園の大軍。
それに対して、トモル・タカヤスは守りを固めていく。
前回とは違い、今度は攻められる側になってしまっていた。
攻守ところを変えて、両者は再びにらみあっていく。




