470回目 勝者は勝者の悩みがある 5
「本当に、よくやるよ」
話を聞いてトモルは呆れるしかない。
「さっさと滅びればいいのに」
そう感想を添える。
各地にいる藤園の有力者。
それらが連合・団結して攻め込んでくる。
その事に呆れるしかなかった。
「元はと言えば、お前らが原因だろうが」
国のあちこちで悪さをしていた。
それを排除するためにトモルは立ち上がった。
タカヤスを持ち上げて。
それも、やらずに済めばそれで良かった。
トモルは別に戦争がしたいわけではない。
覇権が欲しいわけではない。
保険が欲しいだけだ、グータラして生きていくための。
それなのに藤園がその邪魔をする。
何かにつけて偉そうに干渉してくる。
何かしようとすると鬱陶しい邪魔が入る。
それを見聞きして、
「こりゃ駄目だ」
と悟ったのだ。
藤園が存在すると、全ての邪魔になる。
この結論からトモルは行動に出た。
やりたくもない寄り道をする羽目になった。
もし国がまともに機能していたら、わざわざ内戦になんぞ突入しなかった。
自分の領地を開発して発展させ、ニート生活を満喫するつもりだった。
「それなのに、あいつらは……」
とにかく邪魔になったのは藤園だ。
あっちこっちで色々な悪さをしていた。
それがいつ向かってくるか分からない。
だからトモルは行動するしかなかった。
それなのに、被害者面して戦争をふっかけてくる。
救いようのないわがままぶりに呆れるしかない。
「そのまま素直に滅びておけよ」
それはそれで無茶な事を口にする。
藤園が戦争なんぞをしてるせいで、思うように事を進められない。
戦争に資源などをとられるので、開発が上手く進まない。
研究開発などが進むのは、やっぱり平和な時代だ。
戦争中はどうしたって武器や兵器の研究に偏る。
そんなのトモルが求めるところではない。
「本当だったら、兵器生産じゃなくて、民需製品があふれてたのに」
軍需生産や軍需製品に今は生産力を傾けてる。
おかげで、町や村の開発が遅れてる。
社会基盤の整備が遅れてる。
「ふざけやがって」
もちろん、知識や技術は民需と軍需で分かれるものばかりではない。
どちらにも重なるものはある。
研究開発の全てが軍需というわけではない。
それでも、民需の生産が抑えめにはなる。
それがあるべき本来の発展を遅れさせていた。
「何のために勝ったんだか」
前回の戦争では勝者になった。
それは確かだ。
だが、それが騒動を無くしたわけではない。
勝者になったとはいえ、その恩恵はあまり感じられない。
「やんなるな」
ため息が漏れる。




