459回目 戦争の終了と、戦争の開始 5
動き出す諸勢力。
数人程度の兵力のところから、州や地方を束ねる者達まで。
それこそ力のある冒険者すらも。
様々な者達が動き出していく。
騒動があちこちで起こっていく。
大小様々な武力衝突が発生していく。
国境の戦線付近はともかくとして、その後方では様々な勢力争いが起こっていく。
主導権を握るために、自分の身を守るために。
様々な勢力が動き出していく。
その中でタカヤスの領域は比較的落ち着いていた。
新たに支配下においた地域ではまだ混乱は起こってる。
だが、藤園の断罪と、その代わりに配置した旧氏族によってなんとか落ち着いている。
トモルの軍勢を恐れて攻め込んでくる者もいない。
あちこちが戦争で明け暮れてる中で、唯一安全と平和が保たれていた。
そこに各地から人が流れ込んでくる。
田畑を、店を、工房を捨てて安全を求めて。
そうした者達をトモルは基本的に受け入れていった。
ただし、無条件ではない。
食い扶持は確保する事。
その為に仕事はする事。
これが基本的な条件だった。
かわいそうではあるが、無料で飯を食わせるつもりはない。
それが当たり前だと思われてはかなわない。
疲れて腹も減ってるだろうから、最初の一膳は提供する事もある。
しかし、それは報酬の前払いだ。
食うからにはしっかりと働いてもらう。
養える人数に限りがあるのだ。
田畑からとれる作物が食わせていける限界だ。
それを超えた人間を食わせていく余裕はない。
その中でやりくりしてるのだ。
無料で提供など出来るわけがない。
それでも追い返さずに受け入れてる。
せめてもの温情というところだ。
そうやって人を蓄えていく。
今後のために。
そうして抱えた人間の数が一定の段階を超えたところで、行動にうつっていく。
流れ込んできた者達を兵士にして。
行く先は、周辺の騒動が起こってる地域。
問題の解決と鎮圧を理由にする。
「王族として見過ごすわけにはいかない」
これが理由になる。
現地の王族の手引きもある。
「どうにかしたいが、力が無い。
手を貸してくれないだろうか?」
そんな通知があちこちから届いている。
実際に困り果ててるのだ。
もちろん、それがトモル達の策略でもある。
現地の様子を見てる王族の要請。
そういう建前ならば、それなりに融通が利く。
国を統治する、国を背負ってる王族の頼みだ。
かなえられるなら、かなえてやろうというもの。
ましてタカヤスは王族である。
王族の義務を果たすのは当然。
そうして近隣の地域に攻め込み、吸収していく。
トモルが貸し出す自動車と機関銃が猛威を振るう。
騒動が起こってる地域はそれらで鎮圧されていく。
そして、争いを起こしていた藤園家を潰していく。
争いはたいてい藤園家同士で行われている。
血まみれの主導権争いだ。
その原因となってる藤園を壊滅させていく。
問題の原因を取り除くために。
そうして藤園の影響を排除し、勢力を拡大していく。
流れてくる難民を吸収できる下地も作る。
そうして新たに吸収した難民が、新たな兵力になっていく。
その動きは小さなものだ。
しかし、着実に周辺を吸収していく。
騒動を起こす藤園家の者達を根絶やしにしながら。




