443回目 王都攻略戦
トモルが王城をあとにして程なく。
タカヤスの軍勢が王都に接近する。
それを迎撃する形で立浪マサシロウ将軍の率いる4万が展開する。
タカヤスの軍勢はそこに突進していく。
当初の予定通り、マサシロウの軍勢は正面からの戦闘を避けた。
森の木々などを利用して隠れて動向をうかがっていく。
また、穴を掘って、その中に入って身を隠す。
掘り出した土を土嚢にし、簡易的な遮蔽物も作る。
徹底的に待ち伏せに特化した構えをとっていく。
そして相手が近づいてきたときのみ攻撃を仕掛ける。
弓や魔術による遠距離攻撃。
それらを基本として、接近戦を避ける。
決定的な打撃は与えられなくても良い。
そんな事出来ないと割り切っている。
そして敵が攻撃を仕掛けてきたらすぐに逃げる。
無理に戦おうとしない。
攻撃を受けたら損害は馬鹿にならないものになる。
なので、敵が接近してくるまえに逃げることを徹底した。
戦力の、兵員の温存をはかるために。
与える損害は少しでもいい。
それよりも自軍の損害が出るのを避けた。
そこに徹底するマサシロウの戦い方は、確かに効果を出していた。
「頭を使ってるな」
マサシロウの行動を見て、タカヤス・トモル側の軍勢も評価を高めていく。
今までのように無理して戦おうとしてない。
出来る事を徹底してやっていく。
おかげでなかなか敵を殲滅出来ない。
それでいて、ほんの少しだがタカヤス・トモル側は損害を出していく。
幸い、死亡者も重傷者もそう多くはない。
しかし、人数の少ないタカヤス・トモル側にとっては痛い出血だ。
魔術で治療が出来るし、医療術もトモルによって格段に引き上げられている。
それでも、負傷者を回復するとなれば、医療品を消費する。
魔術を使えばその分だけ魔力を消耗する。
治療のために時間もかけねばならない。
それはそれで軍事行動への負担になる。
とはいえ、やられっぱなしというわけではない。
それならそれで戦いようもある。
相手がこういう行動をとってきた時の事も考えてある。
「冒険者を動かすぞ」
タカヤス・トモル側の軍司令官は指示を出す。
相手は遊撃戦に切り替えた。
神出鬼没の戦い方をしていく。
ならば、身軽に動ける少数部隊を展開し、敵を撹乱していく。
その為に、少数での行動になれた者達を使っていく。
すなわち、冒険者を。
冒険者は数人程度で徒党を組んでいる。
それで森や山に分け入り、怪物と戦っている。
やってることは、いわゆるゲリラ戦・遊撃戦と変わらない。
それに特化した戦闘集団と言える。
そんな冒険者に、周辺に潜伏する敵部隊の攻撃を依頼していく。
依頼を受けた冒険者達は即座に攻撃を開始していく。
もともと得意としていた仕事だ。
順調にこなしていく。
まして相手とのレベル差もある。
トモル側の冒険者は効率的に育成されてるのでレベルが高い。
たいていがレベル10を超えている。
レベル15からレベル20なんて珍しくもない。
そんな者達が襲いかかるのだ。
無事で済むわけがない。
マサシロウの軍勢はたちまち撃破されていく。
レベル5程度の一般兵がほとんどの軍勢だ。
少数とはいえレベルの高い冒険者にかなうわけがない。
まして、日夜怪物相手に実戦経験を積んでいる。
効果的な動き方や戦い方を身につけている。
そうした部分でも冒険者はマサシロウの軍勢を上回った。
周辺に潜伏していた軍勢はこうして掃討されていく。
そうして確保された安全な道をたどり、タカヤス・トモルの軍勢は先へと進んでいく。
まだ潜伏してる敵軍の全てを殲滅したわけではない。
だが、それでもかまわなかった。
必要なのは、襲撃を未然に防ぐ事。
それが出来れば、当面は問題は無い。
足止めをくらい、時間を浪費する事。
それが最も避けるべき事態なのだ。
それを退ける事が出来たならそれでかまわない。




