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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第12章

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441回目 王都にいる者たちは 9

「まあ、予想通りだな」

 城内の様子を探るトモルは、そうつぶやいた。

 軍勢から離れて先んじ、単独で行動して王都内に。

 既にその身は王城内部にすら入っていた。

 トモルの能力をもってすれば造作も無い。



 そんなトモルの目には、慌てふためく王城内の様子が手に取るように分かる。

 直に目にし、耳を傍立て。

 魔術も使って状況を見聞きしていく。

 その感想は、

(まあ、酷いもんだ)

 この一点につきる。



 劣勢が伝えられてるのだろう。

 誰もが戦々恐々としている。

 状況に流されずうろたえない者もいるにはいる。

 だが、大半はどこか表情をこわばらせ、今後を心配している。



 そんな中、秘密裏に行われる国王の脱出が画策されていく。

 予想の内ではあるが、実際にやられると面倒である。

 このままでは国中を逃げ回り、引っかき回されてしまう。

 なので、

(ここで逃がすわけにはいかないんだよ)

 すぐに動き出す。



 逃げるのを捕まえるのは簡単だ。

 トモルと相手とでは力に差がありすぎる。

 足を止める事など造作も無い。

 見つけた抜け道を潰し、逃げ場を無くす。

 建物も破壊し、出口や窓を塞ぐ。

 地面を隆起させて壁を作って閉じ込める。

 それくらい簡単にできる。



「なんだ?!」

 脱出しようと思っていた国王達は仰天した。

 それもそうだろう、何せ逃げ道の全てが塞がれたのだから。

「何が起こってる!」

 すぐに周りに問いただす。

 それに応じて、側近達が指示を出していく。

 起こってる事の確認のために。



「周りが全て塞がれてます!」

「なんだと?!」

 確認に行った者達の報告に国王も側近も大声を出す。

「城の周囲は盛り上がった土で覆われております。

 石のように硬く、掘り進めるのも難しいです」

「な…………!」

 あまりの事に二の句がつげられなくなる。



 程なく国王達は理解する。

 自分たちが城に閉じ込められた事を。

 逃げ道が塞がれた事を。



「とりあえずこんな所か」

 まだ油断は出来ないが、これで逃げられる可能性は減った。

 もっとも、仮に逃げたとしてもだ。

 トモルの能力を用いれば居所を掴む事は出来る。

 捕らえる事も難しくはない。

 このまま逃がしてしまっても、そう大きな問題にはならない。

 ただ、手間が大きくなるのも確かだ。

 そうなるくらいなら、ここで捕獲しておいた方が良い。



「あとは……」

 暴れられても面倒になる。

 起きてる人間を次々に眠らせていく。

 そうしてから、何人かの精神を支配していく。

 そうした者達は起きだして他の者達を拘束させていく。

 手錠や枷などをはめていく。



 そうして城内の人間を拘束していく。

 それが終われば、動かしていた者達同士で縛り上げさせていく。

 動いてる者達は半分に分かれてもう半分を縛っていく。

 それを繰り返し、残り一人になったものを、トモルが縛りあげる。

 それで王城の制圧は完了した。



(面倒だよなあ)

 最初からこうしておけばそう手間もかからなかっただろう。

 だが、国の制圧を目指すとなるとそうもいかない。

 単に殲滅壊滅するだけでは駄目なのだ。

 最終的に処分するにしても、生かしておかねばならない者達もいる。

 それらはまだ確保しておかねばならなかった。



 王位の継承やら何やら。

 色々と手続きや手順が必要になる。

 それを大きく無視してやっているのが、今の戦争ではあるが。

 この戦争を終わらせるためにも、とりあえず国王達は必要だった。



「あとは、ここを攻め込ませるだけか」

 縛り上げた国王達を見て呟く。

 王都まで攻め込んで、王城を制圧。

 そうしてから国王とその他枢要にいる者を捕縛。

 それから政権交代になる。

 現国王とその一家と一族。

 その縁者などは斬首となる。

 そうして目に見える形で示しておかないと、後々の面倒になる。

「本当に、面倒くさい……」

 つくづくそう思った。

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