437回目 王都にいる者たちは 5
強引な手段によって、王都に防衛の為の兵力が集まっていく。
各地の騒乱を無視して集まったそれらは、4万。
国軍の規模からすれば決して多いとはいえない。
しかし、急いで集める事が出来たのはこれが限界だった。
さなる増援は各地からやってきている。
これらも無理して抽出した兵力だ。
その分、各地における騒乱はさらに規模を増している。
そうした犠牲を払ってでも引き抜かれた兵力である。
これらがあわされば、もう少し兵力は増えるだろう。
だが、王都防衛に当たる者達は不安だった。
果たしてこれでうまくいくのかと。
何万という規模の軍勢で防衛にあたった州都。
それは瞬く間に陥落した。
規模としてはそれよりは多いとはいえ。
その軍勢で果たして敵を食い止める事が出来るのか?
不安がどうしてもつきまとう。
だが、とにかくこれでやるしかなかった。
他に当てに出来るものはない。
それでも、安心できる要素はある。
王都防衛にあたる者達はレベルが高い。
最低でもレベル10。
そこまで鍛えられた者達がそろっている。
戦力の中核となる騎士団にいたってはレベル15。
さらに近衛などはレベル20の猛者がそろっている。
通常の兵士はだいたいレベル5が普通だ。
これは成人の基本的なレベルでもある。
腕の立つものではレベル10くらいがせいぜいだ。
それらに比べれば圧倒的にレベルが高い。
数はともかく、質では一般的な軍勢を上回っている。
ここが有利な点だ。
ただ、それでも不安はある。
今のところなんとか高レベルを維持してるが。
その数はわずかに減少していっている。
これは、レベルを上げるためのモンスターの巣が減少してる事による。
いつの頃からか、国内のモンスターの巣が消えていった。
安全の観点からするとありがたい事なのだが。
レベル上昇による成長を考えると痛い問題だった。
高レベルの人間を育成するのに、モンスターの巣は実に便利な場所だったのだ。
そこからモンスターが出てくれば危険である。
また、中に入って戦闘になれば死ぬ可能性もある。
訓練所として使うには、いささか物騒な場所ではあった。
だが確実にレベルを上げられる。
そのため、モンスターの巣を使って能力向上が行われていた。
なのだが、これが使えなくなっている。
次々にモンスターの巣が破壊された為だ。
そのため、今はまだ残ってるモンスターの巣でレベル上昇を行なっている。
これがまた、色々な問題になっている。
まず、単純に高レベルの人間を確保しにくくなった。
モンスターの巣が減ったために、育成できる人間が減った。
加えて、遠方まで移動させねばならなくなった。
おかげで移動や宿泊の手間がかかるようになった。
訓練中は兵力が手薄になるという問題も出てくる。
今回もそうした問題がしっかりと出てきていた。
現在、何人かがモンスターの巣に遠征している。
そのせいで防衛戦力が低下している。
今、急いで呼び戻しているが。
間に合うとは思えない。
うまくいけばどうにかなるが。
保証の限りではない。
それと、これは兵力の質とは関係ないが。
しわ寄せが冒険者に向かっていった。




