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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第11章

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431/531

431回目 州確保

「それでは、出陣します」

 招いたタカヤス殿下にそう告げる。



 まだ落ち着かない州都の仮設宮殿の中。

 本来の州都の中心が壊滅したために設置された場所。

 もとは州都にいる貴族の館であったのだろう。

 その中で比較的損害が少ない場所が選ばれていた。



 そこに腰を据えたタカヤスは、そこでトモルの声を聞いていく。

 今後の行動を告げるそれは、血なまぐさいものだ。

 州都制圧までにもおびただしい血が流れた。

 戦闘をしてるのだから、それは当然だが。



 しかし、それは尋常ではないものがある。

 戦闘が終わった後も戦後処理として貴族のほとんどを断首した。

 そのほとんどは藤園関連であるが。

 また、旧氏族側であっても藤園に与した者たちである。

 放置するわけにはいかないのはわかってるが。



(しかし、女子供に老人までか)

 そのすべてを軒並み処理したというのは驚いた。

 今後の禍根を断つことを考えれば、それが正解なのはわかってるが。

 しかし、それがまだまだ今後も続くとなると、さすがにため息も出てくる。



 とはいえ、止めるつもりもない。

 タカヤスとて王族である。

 権力闘争がどれほど血なまぐさいかはわかっている。

 今でこそ落ち着いたが、昔は王族といえば暗殺と隣り合わせであったのだ。

 その頃の話も耳にしている。

 そういった状況の切り抜け方の教材として。

 なので、トモルのやってることを非難するつもりはない。

 むしろ、それしかないとわかっているので、労いの言葉もかけてやる。



 だが、戦乱がまだまだ続くのはつらいものがある。

 この先も同じことが起こるのだから。

 やむなしとは分かっていてもやりきれないものがある。

 さりとて手心を加えるわけにもいかない。

 情けは仇になって返ってくるのだから。



「任せたぞ」

 かけられる言葉はそれだけだった。

 今はトモルに任せるしかない。

 短期間に様々なことを成し遂げた男を。

 そいつがやると言ったのだ。

 それに乗った。

 もう信じるしかない。



「任せてください」

 そう返すトモル。

 タカヤスはその言葉に頷く。

 それしかできる事はない。



 それでも任された事はこなしていく。

 手にした州の統治。

 これに全力を注いでいく。

 幸い、トモルが地ならしをしてくれている。

 制圧そのものはそれほど難しくはない。

 増大した兵を各地に送り込めばよい。

 同時に新たな領主などを送り込む。

 それでどうにかなる。



 また、教会の代わりとなる神社も建立していく。

 神官も送り込み、新たな宗教を拡散していく。

 精神面でも制圧していかねばならない。

 こちらは時間がかかるだろうが。

 だが、今から始めなければ、永遠に何も変わらない。

 むしろ、この機会に一気に事を進めていかねばならない。



 事を一気に進めてる最中だ。

 手綱を緩めるわけにはいかない。

 それだけで全てが狂ってしまう。

 そうなれば一気に崩壊してしまう。

 それは避けねばならなかった。



 急ぎすぎて元も子もなくなる可能性もある。

 それも承知の上でだ。

 今は急激に全てを動かしている。

 この勢いを殺すわけにはいかない。



 自転車と同じだ。

 ある程度勢いや速度がないと安定しない。

 むしろ速度を落とす方が危険だ。

 目的地に到着したならともかく。

 まだその段階ではない。



 今はとにかく先に進む事。

 先へ進ませる事。

 そのために無理や無茶をするべき時だ。

 それが分かってるからタカヤスも同じように事を進めていく。

 幸い、彼の下にはトモルによって育てられた人材がある。

 支配体制を敷いていくのに問題ない。



 むしろ、少しでも早く安定させておかねばならない。

 王都へと向かうトモルの軍勢を支援する為にも。

 州が安定すれば支援もやりやすくなる。

 そして、王都を制圧すれば状況もさらに変わっていく。

 確実にそうなるとはいえないが。

 そうなる可能性は高い。



 何よりも今回の目的である、現政権の排除。

 これを達成せねばならない。

 そのためにも王都を制圧する必要がある。

 内外への宣伝のために。



 そうする事で、国内の勢力への牽制とする。

 そうなればタカヤスの方に手を出すのを控えるだろう。

 それどころではなくなるのだから。



 そのためにも支援ができる状態を作らねばならない。

 トモルを助けるために。

 それが結局はタカヤスたちをも救う事になる。

 互いに補い助け合う。

 そういう状態になってるのだ。



 だからこそ手を抜くわけにはいかない。

 トモルが終わればタカヤスも潰える。

 タカヤスが支えれば、トモルも大きく動く事ができる。

 ならばやるしかなかった。



 そんなタカヤスの手で州は制圧されていく。

 強引に行われていくそれは、時間をかけずに結果を出していく。

 急激な変化に戸惑い、ついてこれない者も出てくるが。

 結果としてそれは余計な混乱を出さずに済ます事につながった。



 おかげでトモルへの補給体制が確立したのみならず。

 隣接する州からの侵入などにも対応できるようになる。

 逆にタカヤスの方から隣接する州に圧力をかけるほどだ。

 それがトモルへの働きかけを弱めていく。



 そうした支援もあり。

 トモルの軍勢はまっすぐに王都を目指していった。

この話を書いてて感じたり思ったりした事

BOOTHにそんなものをまとめたものを置いている

https://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/485234953.html

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