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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第2章

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43回目 寄宿舎伝統の歓迎会に丁寧な迎撃をしていく

「入学おめでとう」

 上級生の一人がそう言って前に出る。

 だが、言う程祝う気持ちがないのは口調と態度で分かる。

 それは集まってる他の上級生も同じのようだ。



「今日から君らはこの学校で色々学んでいく。

 それは学校だけじゃない。

 この寄宿舎でもだ」

 そう言って新入生を上級生が見渡す。

 睨みつけるといっても良い。

 それで怯む新入生も何人かいた。



 いや、大半の新入生はびびった。

 当たり前だ、新入生は全員今年8歳になる者ばかり。

 対して上級生はおそらくこの学校における最上級生あたりであろう。

 この学校はいわゆる小学校にあたるもので、最上級生といっても12歳くらいだ。



 だが、この年頃の8歳と12歳には大きな差がある。

 年少の方にまず勝ち目はない。

 その力の差をいやでも認識して、新入生達は怯んだのだ。



(ようやるよ)

 もちろんトモルは例外である。

 やってる事をあほらしく眺めていた。

(あれか、新入生いびりか)

 最初に脅しつけて言う事を聞かせようというやつだろう。



 実に馬鹿馬鹿しいイジメである。

 いや、歴とした脅迫という犯罪である。

 イジメという言葉で誤魔化してはいけない事である。

 やってる事は全て犯罪行為であるのだから。

 今、上級生がやってる事はまさにこれだった。



(学校の伝統ってやつなのかな)

 だいたいどこの組織や集団や機関にもこういった体質は存在する。

 人間(に限ったものでもないようだが)は見下せる存在を求める。

 それがいると安心出来る生き物なのだとか。

 救いようのない性分だが、そうした性質があるのは確かなのだろう。



 だからこそ、こうやって格下を作って、上下関係を作るのが大好きなようだ。

 一方的に叩きのめせるならば尚良いのだろう。

 夜中に新入生を集めた上級生の態度はまさにそんなものだった。

(しょうがない連中だな)

 大人の感性を持つ、というよりまともな人間としてトモルは呆れてしまった。



 そして情けなくなった。

 これが人の上に立つ事を求められる者達の子息なのかと。

(お灸が必要だな)

 この時トモルは、教育的指導を子供達にしてやる事にした。

 大人の義務として。



 その為にまずは様子見、不穏な事をしでかさないかを見守っていく。

 本当にここで生活する上での規則や規律を教えるだけなら目こぼしをするつもりであった。

 手荒な手段だとは思うが、ある程度威圧する事も必要な時がある。

 子供相手の場合は特に。



 何せ言って聞くようなものではない。

 動物と同じで激しく喜怒哀楽を見せて脅さねばならない事もある。

 そこはしょうがないとは思っていた。

 だが、残念ながらそんな事もなく。

 やってる事はただの脅迫であった。



 さすがに殴る蹴るといった暴行はないが、だからこそ質が悪い。

 それと分かる行為がないから、精神的に追い詰められていく。

 荒らげた声や凶悪な態度などによって。

 それは充分に暴力、横暴と言えるものだった。



(ここまでだな)

 さすがに見てられなくなって行動に移していく。

 馬鹿げた事を見逃すのは、かつて定めた行動方針に背く事になる。

 それだけは絶対に出来ない。

 トモルは権威を笠に着てバカをやる連中を叩きのめす事にしたのだから。



 そして、これが期せずしてトモルの力を知らしめる機会となった。

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