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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第11章

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420回目 州都攻略 10

「我々はイツキヤマ当主タカヤス殿下の軍勢である」

 その声は州都全体に響きわたった。

 様々な作業を行なってる者達、まだ避難を済ませてない者達。

 それらは響いてくる声に驚き、動きを止める。



「我らはこれより攻撃を開始する。

 州都全体をだ。

 だが、民を巻き込むのはしのびない。

 よって、避難を勧告する」

 その声に州都内の者達は顔を見合わせた。



 攻撃の事前通告。

 市街地など、民衆を巻き込む場合などに行われる事がある。

 戦争をあくまで軍人同士のものとするため。

 余計な被害者を発生させないため。

 こういった事が行われる事はある。



 だが、それは敵にこちらの行動を示す事にもなる。

 その為、まったくなされない事も多かった。

 やるとすれば、圧倒的な戦力差があり、確実に勝てるという状況くらいだ。

 さもなくば、降伏勧告の枕詞である事が多い。



 しかし、聞こえてくる声はそんな生やさしいものではなかった。

 事前通告が終わって聞こえてきたのは、次の事だった。

「我らは降伏を認めない。

 敵対するもの全てを倒す。

 そう命じられている」

 それは事実上の皆殺し宣言であった。



「ただし、民まで巻き込む事は本意ではない。

 敵への協力者には容赦しないが、戦争に巻き込まれる被害者を出したくはない。

 その為の避難勧告である。

 民は急ぎ州都から撤退するように」

 その声に、まだ残っていた民が驚き慌てる。



「なお、貴族や武家などは全て敵である。

 一族郎党全てがだ。

 これの逃亡は一切認めない。

 周りの者達も、これらの逃亡を見逃さないように。

 もし、見逃しがあった場合、民も敵の協力者と見なす。

 全員、攻撃対象として、一人として生かしておかない」



 この宣言に州都内にいる全ての者が驚いた。

 本気で言ってるのかと思った。

 しかし、まだ真に受けてる者はほとんどいない。

 そんな事出来るのかと考えてる者が大半だった。

 そこに恐れはない。

 しかし、次の声に幾らか危機感はおぼえる。



「まず、我らの前にある城門。

 その周辺。

 このあたりに攻撃を加える。

 該当する地域にいる者達は即刻避難するように。

 10分後に攻撃を開始する。

 以上だ」



 さすがに言われた場所にいる者達は不安をおぼえた。

 ここにいたらまずいのではないかと。

 彼らは砲撃の事は知らないが、魔術があるのは知っている。

 それで巨大な攻撃がなされるのではないかと心配した。



 それは作業を指揮していた者達も同じだった。

 役人や軍人である指揮官達は、さすがに万が一の場合を考えた。

「ここは……」

「うむ」

 近くにいる者同士で顔を見合わせて頷く。

「急げ、避難しろ」

「ここから逃げろ」

 そう声をかけていき、周りの者達に逃げるよう指示をする。



 本来なら上司や上官の指示をあおぐべきだろう。

 しかし、今は時間が無い。

 緊急事態と言ってもよい。

 そうした場合は現場での判断が認められている。

 今がその時だ。



「やむをえんか」

 現場の責任者もそれを認める。

 作業が滞るのは痛いが、本当に攻撃をされたら大変な事になる。

「作業を中止、急ぎ撤収しろ。

 これは命令だ」

 その声が魔術によって拡大され、全体にひろまっていく。



 トモル側の軍勢がいる方面の門。

 その近辺で作業していた者達が避難を始める。

 どこまでが攻撃範囲なのか分からないので、可能な限り広い範囲で。

 多くの者達が急ぎその場から逃げ出していく。



 そうしてどうにかこうにか撤退がなされた時に。

 攻撃が開始された。

 門の近くにあった区域が吹き飛んでいく。

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