41回目 よりよい学校外生活のために今できる何か <能力表記>
時は流れ、トモルは8歳になる。
この年齢になると、貴族は学校へ通うことになる。
貴族専門の学舎に。
この学校、日本でいうところの、都道府県を統治する貴族が直轄するもの。
県内(に該当する範囲)にいる貴族の子弟が通う。
基本的には小学校にあたる。
ただ、学ぶ内容は一般的な学校とはかなり違う。
礼儀作法や貴族としての規則や規律、哲学や思想といった事が教えられる。
生徒はここで、貴族として必要な基礎を徹底的に叩き込まれる。
洗脳と言っても良いかもしれない。
そんな所に行くとあって、トモルは非常に機嫌が悪かった。
(絶対に上手く抜け出してやる)
そう誓ってこれからの日々に臨んでいく。
幸いにしてレベルも上がっており、能力は更に高まっていた。
これを基にして上手く学校を乗り切っていきたかった。
その為に何が出来るのか。
集める事が出来たいくつかの情報から考えていく。
とはいえ、あまりにも情報が少ない。
少な過ぎて効果的な手段など思いつかなかった。
それでも、思いつく限りの様々な場面を想定し、対策を練っていた。
何より、自分が何をしたいのかを明確に、その為に周囲をどう動かすかを考えた。
(上手くいけばいいけど)
不安はあるが、やるしかなかった。
全ては自分の自由のため。
その為に状況を動かす。
他人を動かす。
自分以外の他の何かがどうなろうと、それはトモルの知った事では無い。
(何にせよレベルアップだ)
学校ごときでこれを阻まれるわけにはいかない。
その為にも狙うものがある。
国内にあるモンスターの巣だ。
国外……というか、人類の勢力圏外。
辺境にはそこから滲透してくるモンスターがいる。
これに対して、国内にはモンスターの巣と呼ばれるものがある。
文字通りにモンスターの住処だ。
そこはモンスターが巣くい、はびこり、集まっている。
そして、モンスターが生み出される場所でもある。
当然、踏み入るのは危険な場所だ。
危険なものだが、排除もなかなか出来ずにいる。
何せ、中にはかなり強力なモンスターがいる。
高レベルの人間を集めない限り攻略は難しい。
なので、中からモンスターが出てこないように間引きするのが限界になっている。
その為に、軍隊が駐留している。
冒険者も日々内部に突入してるという。
こんな美味しいものを狙わないわけにはいかなかった。
当然ながら学校の近くにあるわけではない。
しかし、見聞きした情報によると、ちょっと足を延ばした所に存在する。
距離にして数十キロくらいは離れている。
普通に考えたら、簡単に行き来できる距離ではない。
しかし、トモルは普通ではない。
(数十キロなら、強化魔術を使えば何とかなるはず)
能力を高める魔術を使い、それでひとっ走りすれば一日でたどり着けるはずである。
あとはそこで荒稼ぎが出来ればありがたい。
(軍や冒険者でも簡単に攻略出来ないっていうし。
そう簡単に無くなったりはしないはずだ)
それもまたありがたい事だった。
モンスターの巣は一定以上の規模になると、ダンジョンと呼ばれるものに変化する。
モンスターが作り出す異世界、別次元・別空間のことだ。
それをダンジョン(地下迷宮)と読んでいる。
もっとも、地下迷宮というにはいささか趣が異なる。
実際には様々な形態があるのだ。
本当に地下迷宮だったりする事もある。
あるいは多重構造の建物の内部だったり。
どこまでも拡がる草原や森林の事もある。
そうした世界をモンスターが作り出していくという。
こういう状態のモンスターの巣は異空間というべき広さを持つようになる。
その中でモンスターは生まれて育つ。
膨大な数のモンスターが巣くうので、殲滅が難しくなる。
その中に踏み込めば、数多くのモンスターが四方八方から襲ってくるという。
なのでダンジョンとなったモンスターの巣は、ほとんど殲滅出来ずに国内のあちこちに存在している。
学校から一番近いモンスターの巣も、残念ながらダンジョンとなってる。
それはトモルからすればありがたい事であった。
何せ、倒しきれないほどのモンスターがいるのだ。
経験値稼ぎには丁度良い。
上手く学校を抜け出す事が出来れば、これほど都合のよいものもない。
(問題はどうやって抜け出すかだな)
その為に何が必要かをあれこれ考える。
その悪企みは延々と続き、いまも解決策を見つける事が出来ずにいる。
(あとは現地の人間を見てからか)
相手があっての事である。
まずは学校にいる者達の人間性を確かめねばならない。
対策と方策はそれからだ。
<< 状態確認 >>
柊 トモル
7 → 8歳 男
レベル5 → 7
体力: 250/500 → 350/700
健康: 250/500 → 350/700
敏捷: 250/500 → 350/700
智慧: 250/500 → 350/700
意志: 250/500 → 350/700
共感: 250/500 → 350/700
一般教養 レベル11 → 13
知識:地理 レベル5 → 8
知識:社会 レベル5 → 8
知識:貴族社会 レベル0 → 3
礼儀作法 レベル1 →4
心理 レベル3 → 6
交渉 レベル3 → 5
発見/探知 レベル6 → 7
潜伏/隠密 レベル6 → 8
野外活動 レベル0 → 2
運動 レベル9 → 11
刀剣 レベル10 → 13
斧 レベル6 → 7
投擲 レベル0 → 2
格闘 レベル5 → 7
基本魔術 レベル11 → 13
治療魔術 レベル5 → 7
探知魔術 レベル6 → 8
念動魔術 レベル0 → 3
能力強化魔術 レベル2 → 7
能力弱体化魔術 レベル1 → 5
知識:日本 レベル8
パソコン操作 レベル15
振り分け可能技能点数: 7 → 16点
<< 状態確認 >>
<< 経験値: 1783/70000 >>
 




