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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第11章

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408/531

408回目 間近にいる敵勢力をまずは叩く 7

 翌日。

 トモル側の軍勢は日が昇ると同時に行動を開始していく。

 距離を置いて展開した砲兵が攻撃を開始。

 敵の城を砲撃していく。



 最初に放たれた一発が着弾。

 それに大量の砲撃が続く。

 城壁が、城が破壊されていく。



 城内にいた者達はいきなりの事に驚いた。

 何が起こってるのかは分からない。

 ただ、自分達のいる場所のあちこちで爆発が起こってる。

 その直撃を受ける者も、砲撃の効果範囲にいる者も、等しく死んでいく。



 かろうじて生き残っていた者達も混乱していく。

 何せ、原因不明の攻撃で城が崩れているのだ。

 周りで仲間も死んでいる。

 これで落ち着いていられるわけがない。



「なんだこれは」

「新開発された魔術か?」

 首脳部にいる者達は、加えられる攻撃をそのように受け取っていく。

 彼らの知らない新しい魔術。

 それが開発されたのかと。

 実際には違うのだが、この世界の住人としては当然な反応だろう。



 ただ、攻撃を受けてるという事実は変わらない。

 それが城を破壊しているという事も。

 戦争の一部であるという事は変わらない。



「とにかく、全員に身を隠すように伝えろ。

 これが終わったら、敵が来る」

 戦争の定石通りに考えればそういう事になる。

 城への直接攻撃。

 それにより防御を破壊しての内部突入。

「それまではなんとしても持ちこたえろ」



 扱う武器が大きく変わっても、戦争の様態がそれほど変わるわけではない。

 技術や文明がどれほど発達しても、人の有り様が変わらないように。

 攻城戦であるならば、定まった流れというものがある。

 まずは城への攻撃。

 それが終わってから人が突入してくる。

 城を制圧するなら、そうするしかない。



(だが……)

 ここで城主は思う。

 もし、相手が城の制圧を考えてなかったら。

 敵対勢力そのものの殲滅を考えてるなら。

(このまま、この攻撃を続けるだろうな)



 占領や制圧は、その場所なりを手に入れるために行う事だ。

 だからこそ、占領の為に人間を置く。

 でないと統治が出来ないからだ。

 しかし、もしそのつもりがないならば。



 城主はその可能性を考えていた。

 何せ、相手は情け容赦のないトモルだ。

 その事は彼も知っている。

 様々なところから漏れ聞く話。

 彼自身が集めた情報。

 そこから考えるに、トモルは敵に対して一切の容赦がない。



(だとすれば)

 そんな人間が、わざわざ占領などを考えるのか?

 手間も時間もかかる事をするだろうか?

 城主はそう考えていく。

 もし、占領ではなく殲滅が目的ならば。

 このまま攻撃を続けた方がよい。

 その方が面倒がない。

(まずい)



 このままここに留まってるわけにはいかない。

 もし、本当に殲滅しにきてるなら、和睦など通じない。

 交渉そのものを受け付けないだろう。

 停戦や休戦もない。

 城主達が死ぬまで攻撃の手をゆるめはしないだろう。



「……逃げる」

 口から出した声は小さなものだった。

 周囲にいる側近達にも伝わったかどうか。

 しかし城主は周りの者達に自分の意思をはっきりと伝えていく。

「逃げるぞ!

 全員、城外への撤退だ」



 その指示伝達は困難を極めた。

 攻撃にさらされてる最中だ。

 城の中にいる味方の所にいくのも難しい。

 しかし、伝令の兵達は懸命に職務を全うしていった。

 おかげで生き残りの何人かには指示が伝わった。



 そうして集まったのが300人ほど。

 兵士だけでなく、城内にいた使用人などを含んだ数だ。

 それも数がかなり減っている。

 兵士は200人ほどがいたのだが。

 それが半分にも満たない数になっている。

 表に出ていなかった使用人も、砲撃のあおりで何人かが犠牲になってる。



 もちろん、城内に取り残されてる者もいるだろう。

 指示が届かずにいる者も。

 道が崩れて身動きがとれない者もいるかもしれない。

 しかし、それらを探したり助けたりする余裕はない。



「逃げるぞ」

 城主は目の前に集まった者達に指示を出していく。

 トモル勢が攻撃を仕掛けてくるのとは別方向。

 そちらの門を示す。

「あちら側から逃げろ。

 まだ敵はいないはずだ」

 その言葉に、生き残った兵士や使用人が頷く。



 そして、脱出が開始される。

 破壊されていく城内から。

 その手に白旗をもって。

 この世界でも、降伏や戦意のない事を示すために白旗は使われている。



 しかし、それも無意味である。

 回り込んで展開していた戦闘車両や、輸送されてきた兵士が攻撃をしかける。

 銃弾に撃たれて、兵士や使用人達が倒れていく。



「我々は降伏を一切認めない」

 城の外から、音声拡大の魔術で声が届く。

「藤園に連なる者は全て排除する」

 その声に城内にいた全ての者達は絶望した。

 生き残りたければ、戦って勝つしかないという事なのだから。



「……ここまでか」

 城主はそう言うしかなかった。

 もうどうにもならない、その事は彼自身がよく分かってる。

 城に受けた攻撃から、相手が尋常ならざる能力を持ってるのは分かっていた。

 戦っても勝ち目はないと。



 そんな城内の者達に、更に砲撃が加えられていく。

 城壁が門と共に破壊されていく。

 城ごと叩き潰そうとするかのように。

 実際、それは砲弾が尽きるまで続けられた。

続きは金曜日

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