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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第11章

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407回目 間近にいる敵勢力をまずは叩く 6

 その時、彼らは戦支度で城内にいた。

 さすがにこの状況で悠長に園遊会をひらいたりはしてない。

 貴族の中にはそういう愚か者もいるが。

 ここにいるのは立場や勢力を手に入れてる者だ。

 そこまでの愚か者は少ない。



 というより、自分の手にあるものを守るのに必死だ。

 それを失いたくないという欲望に正直なだけではある。

 だが、それが勤労意欲や実際の業務に正しく反映されている。

 それだけでも十分ではあるだろう。

 そもそも、人間は理想や理念よりは、欲望で動くものだ。

 何も間違ってはいない。



 そんな者達だけに、決して油断などしてない。

 敵を侮る事無く、対処を進めている。

 そうでなくてもここ数年、様々な騒乱が起こってる。

 それらへの対応で、嫌でも実績を積み上げている。



 だが、現実は無常だ。 

 前線からそんな彼らに連絡が届く。

 戦闘部隊とは別に行動させておいた通信魔術部隊から。

 それらが、声を飛ばして伝えてくる。

「我が軍壊滅!」

 その情報に城内が凍り付く。



「馬鹿な!」

 報せを受けた城主は声を張り上げた。

「そんな、馬鹿な。

 あれだけの兵力、そう簡単に覆せるものでは……!」



 今回繰り出した兵力は小さなものではない。

 大軍とはいえないまでも、この近隣で考えるならかなりのものだ。

 それが負けた、しかも壊滅などと。

 にわかに信じられるものではない。



「……間違いはないのだな」

「受け取った報告は、確かにその内容でした」

「そうか……」

 一旦は取り乱した城主だが、すぐに気を取り直す。

 どんな凶報であろうと、事実ならば受け取るしかない。

 それくらいの事はわきまえている。



「分かった、防備を固めさせろ。

 敵がやってくる」

 即座に指示も出す。

「それと、この事を後方に伝えろ」



 情報のやりとりは重要だ。

 どこで何が起こってるのかを知らねば、今後の行動を決める事が出来ない。

 その為にも城主は、この地で起こった事を後方に伝えるように指示を出す。

 今後の戦略に関わるからだ。



 どんな小さな事であっても、起こった事はそのまま伝える。

 情報共有の基本だ。

 これが出来ないと、現状が把握出来なくなる。

 それは勢力そのものに大打撃を与えかねない。



 急ぎ城内から後方への通信がなされていく。

 魔術を使って、声を遠方に届けたり。

 伝令の馬を走らせたり。

 使える通信手段の多くを使っていく。



 幸いにもそれらはしっかりと後方に届いていく。

 トモルもそこまで手を回せていない。

 通信妨害はしておきたいとは思っていたのだが。

 その為の手段がない。



 なので、イツキヤマ付近の情勢は藤園の勢力に届く事になる。

 それを受け取った者達は対応に動いていく。

 だが、そんな彼らも度肝を抜かれていく事になる。



 後方に情報を送り、防備を固めていく敵勢力。

 そんな彼らの前に、トモルの軍勢があらわれる。

 戦闘を行なったその日のうちに。

 彼らは即座に戦闘態勢をととのえていく。



 長距離砲を設置し、兵士の配置を完了させる。

 後方からの補給で、消耗した弾薬も回復した。

 やろうと思えば、即座に戦闘が可能だった。



 もっとも、その時点で既に日が暮れていた。

 さすがに夜に戦闘が出来るわけではない。

 それだけの装備は持ち合わせていない。

 なにせ、懐中電灯もまだ開発段階なのだ。

 暗くなれば、大人しくしているしかなかった。



 それは敵も同じで、城の中に籠もっている。

 もちろん彼らは、明かりを灯して防衛のための作業を行なっていたが。

 外に出て何かを行おうとは思ってなかった。



 夜襲をしようにも、敵勢には兵力がない。

 それなりの成果を得られたかもしれないのだが。

 あちこちに潜伏させてる偵察の情報で、敵の数は自分達を上回ると分かっていた。

 そんな所に奇襲をかけても、効果があるかどうか。

 上手くいけばいいが、貴重な兵力を更に減らしては元も子もない。



 そう考え、城内に籠もる敵勢は防御に専念する事にした。

 やってくる増援を期待して。



 その判断が正しかったのかどうか。

 それは分からない。

 もし、どちらかが夜であっても構わず攻撃を仕掛けたら。

 この争いはもう少し早く終わっていたかもしれない。

 どちらかの勝利として。



 しかし、その機会は既に失われた。

 両軍ともに次の日を迎えていく。

 そして、あらためて戦闘に突入していく。

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