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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第11章

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405/531

405回目 間近にいる敵勢力をまずは叩く 4

「敵、壊滅状態とのこと。

 ただし、まだ残存兵力あり」

「分かった」

 前線からの報告を受けた連隊本部。

 その中で全体の指揮をとる指揮官は、次の行動を指示する。

「追撃だ」



 敵はほぼ壊滅状態。

 それはありがたい。

 だが、そのまま放置というわけにもいかない。

 再編されて立ち向かってきたら面倒だ。



 そうなる前に、一気に片付ける。

 その為に部隊を動かしていく。



 指示はすぐに部隊に届けられる。

 それを受けて部隊は動き出す。

 自動車とそれに乗る兵士達。

 彼らは戦場を目指して進んでいく。



 まだ混乱の中にあった敵勢。

 それでもどうにか生き残りが合流していた。

 ただ、指揮官が死亡しており、統率がとれない。

 この中で序列が一番高い者が指揮をとる事になるのだが。

 それが誰なのかの確認で時間が取られてしまっていた。

 そんな敵を目指して、トモル側の部隊が襲いかかる。



 先陣を切るのは、機関銃搭載の自動車。

 運転手と、助手席の車長。

 そして、機関銃手と弾薬の装填手。

 この四人が乗る戦闘専用車両だ。



 この戦闘車両が4台、敵に突っ込んでいく。

 射程に入るやいなや、搭載した機関銃を発射しながら。



 交換式の箱形弾倉に装填された40発が撃ち出されていく。

 それらは密集していた敵をなぎ倒していった。

 部隊ごとに固まっていた敵はひとたまりもない。



 撃ち尽くせば弾倉が交換され、また射撃が開始される。

 そうしていくうちに、敵は更に残りを減らしていく。



 敵も黙ってるわけではない。

 弓や魔術による遠距離攻撃が行われていく。

 だが、戦闘車両には装甲が施されている。

 歩兵銃くらいの銃弾なぞ、簡単にはじき返すものをだ。

 弓矢では話にならない。



 魔術も似たようなものだ。

 火炎や雷撃が襲いかかる。

 だが、それも装甲表面をあぶっただけ。

 人間であれば大きな殺傷力を発揮しただろうが。

 装甲の厚い戦闘車両には無意味であった。



 そんな戦闘車両を先頭にして突進する。

 敵は壊乱状態だった。



 それに続く自動車部隊も威力を発揮する。

 荷台に乗った兵達が、手にした銃で次々に敵を倒していく。



 鎖閂式ささんしきではない、自動装填式の歩兵銃だ。

 引き金を引けば、自動的に次弾が装填される。

 その発射速度は大きく、敵を次々に倒していく。



 弾丸を撃ち終わっても、弾倉を交換して次の攻撃を行う。

 これも交換弾倉になっており、弾丸を一発ずつ詰め込む必要がない。

 その射撃速度は、敵を次々に死体にしていく。



「なんだあれは…………!」

 敵勢の指揮官は呆然とする。

 馬が引いてない馬車と言うような何か。

 そんな矛盾した車両がやってきて、味方を蹂躙している。



 なんとか対抗しようにも、それもままならない。

 弓も魔術もはじき返される。

 近づこうものならば、車中から何かをされてしまう。

 それが何なのか分からないが、大きな破裂音と共に兵士が倒れていく。

「新しい魔術なのか?」

 そんな風に考えるのは、この世界の住人なら当然だろう。



 だが、その答えを彼らが知るよしもない。

 彼らには知り得ぬ技術で成り立ってるものなのだから。

 彼らに分かるのは、味方が倒れ続ける現状だけ。

 そんな中で指揮官の一人は、最適の答えを出す。

「…………撤退!」



 逃げる。

 今、敵勢に出来る最も効果的な行動はそれだろう。

 踏みとどまって戦っても、全滅するだけだ。

 一矢報いる事も出来ない。



 ならば、少しでも誰かが生き残れるように逃げる。

 それしかない。

 しかし、それすらも簡単にはいかない。



 疾走する自動車部隊。

 それは逃げだし始めた敵を追いかけ、次々に撃ち殺していく。

 わずかに生き残った騎兵も例外ではない。

 全力で逃げだそうとする馬も、機関銃の連射の前では無力だ。



 徒歩の歩兵はもっと悲惨だ。

 銃に狙われて次々に倒れていく。



 戦闘とも言えない戦闘は、そんな調子で進んでいく。

 一方的に倒されていく敵勢。

 それはもう蹂躙としか言いようのないものだった。

 こうして800の軍勢のほとんどは消滅していった。



 とはいえ、生き残りがいないわけではない。

 砲撃を受けた直後。

 恐れをなして逃げ出した者達。

 それらはこの戦闘で生き延びる事が出来た。

 また、そのうちの何人かは、この場に留まって、その後の様子を見ていた。



 これらの者達が、逃げ延び生き延びてこの様子を後世に伝える。

 人数はわずかだが、彼らが歴史の生き証人になる。

 しかし、情報が敵勢に届けられる事は無かった。



 どんな言い訳をしようとも、敵前逃亡である。

 そんな者が許されるわけもない。

 戻ったところで処刑されるのがオチだ。

 たとえ、貴重な情報を持っていたとしても。



 それを恐れて、逃亡者達は自分達の領主などのもとには戻らなかった。

 その為、敵勢は何も知らないままに敵の攻撃を受ける事になる。



 逃亡者達も、自分達の正体が露見するのを恐れて口をつぐむ。

 ようやく事の次第を話し始めたのは、この戦闘が終わって何年も経ってから。

 統治者が代わり、身の安全が確かなものになってからになる。



 それでもこの戦闘は歴史上に大きな意味を持つようになる。

 従来の戦闘方法が通用しなくなった事。

 トモルの軍備が絶大な威力を発揮する事。

 その事を証明する事になったのだから。



 それは、続く攻城戦においても証明される。


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