34回目 目論見通りに外に出る機会を得た <能力表記>
冒険者が増えていき、村はその分だけ騒々しくなった。
同時に、今までよりは潤うようにもなった。
トモルが言ったように村の作物を冒険者が買うようになった。
行商人もよく来るようになった。
田畑への被害も減っている。
冒険者が来る前に比べて、基本的にそれほど悪い状態にはなってない。
武装集団が傍にいるというのは危険ではあるが、それもモンスターの被害と比べればというところだ。
しかも、冒険者はそれほどアコギな人間というわけでもない。
距離を置いて接してる分にはさほど問題はなかった。
何よりトモルにとってはありがたい事この上ない。
物珍しさに遊びにいく、という口実を作る事が出来る。
それにかこつけてモンスターを倒しにいく事も出来た。
以前ほど頻繁には出来なかったが、ぎりぎりレベルアップに必要な経験値を得る事は出来た。
必要な経験値も多くなったので、レベル5になるのがやっとだったが。
それでもレベルは上がった。
ただ、その頃には年齢も一つ上がっていた。
そこで驚く事があった。
能力値が大幅に向上したのだ。
レベルアップとは別に、年齢が上がった段階で。
おそらく、年齢による修正が変わったのだろう。
少しだけだが、大人になったというところだろうか。
だが、その向上幅がかなり大きかったのには驚いた。
(一気に250って……)
もう、そこらの大人よりはるかに高い能力になってしまっている。
ここまで一気に上がるとは思ってもいなかった。
成人時の能力であろう数値が500なので、それに応じたものなのだろうが。
(これ、今後普通に暮らしていけるのかな?)
今更ながらそんな心配が出てきた。
しかし、現時点での最大の心配はそんな事ではない。
貴族で7歳となると、より上位の貴族への挨拶が必要になる。
トモルの場合、一つ上の市町村長にあたる貴族の所に赴かねばならない。
これは貴族としての通過儀礼であり、避ける事は出来ない。
お互いの顔合わせの意味もある。
(でも、相手はおぼえていないだろうなあ)
トモル達の上位にあたる貴族は、挨拶にやってくる下っ端の顔など一々おぼえてはいないだろう。
頻繁に顔をあわせたり、よほど重要な存在でもない限りは。
これは仕方ない事ではある。
数多くの部下を持つ上位の貴族からすれば、配下の者達全てをおぼえるのは無理がある。
どうしても重要な者だけおぼえる事になるのは当然ではあった。
トモルなどはその他大勢の顔も覚えてない存在の一つになるのが関の山である。
挨拶に出向く意味があるのかと思ってしまう。
それでも一応は顔を見せにいかねばならない。
忘れられる事がほとんどであるにしても、もしかしたら記憶に留められるかもしれない。
また、何かあった場合に面識が全くないのと、かすかにでもあるのでは少しは対応が違ってくる。
援助が必要な時に助けてくれたりするかもしれない。
あまり期待出来ないか細い糸ではあるが、何もないよりはマシである。
その為だけに時間をかけて手間暇かけて会いに行かねばならないのは面倒であるが。
何よりも、礼儀作法をおぼえるのが鬱陶しい。
(どうにかならないかな)
貴族も楽じゃないなと思う瞬間だった。
しがらみが無駄に多すぎる。
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柊 トモル
6 → 7歳 男
レベル4 → 5
体力: 120/400 → 250/500
健康: 120/400 → 250/500
敏捷: 120/400 → 250/500
智慧: 120/400 → 250/500
意志: 120/400 → 250/500
共感: 120/400 → 250/500
一般教養 レベル11
知識:地理 レベル5
知識:社会 レベル5
礼儀作法 レベル1
心理 レベル1 → 3
交渉 レベル1 → 3
発見/探知 レベル5 → 6
潜伏/隠密 レベル5 → 6
運動 レベル9
刀剣 レベル10
斧 レベル6
格闘 レベル5
基本魔術 レベル10 → 11
治療魔術 レベル5
探知魔術 レベル5 → 6
能力強化魔術 レベル1 → 2
能力弱体化魔術 レベル1
知識:日本 レベル8
パソコン操作 レベル15
振り分け可能技能点数: 2 → 7点
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