30回目 聞きたかった能力値の事
「能力値ねえ」
トモルに尋ねられた冒険者は、登録証を取り出すと求められるままに表示していった。
「まあ、こんなもんだ」
そこには彼の名前とレベル、そして身につけてる技術が表示されていた。
「まあ、レベル8だから大したもんじゃないけどな」
そう言って謙遜するが、卑下してるわけではなさそうだった。
「まあ、能力値は全部200にはなったけど。
モンスターを相手にしても大分楽が出来るようになってるよ」
そう言って見せてくれた能力値を見てトモルは愕然とした。
(え、俺より低くない?)
単純に比較する事は出来ないが、どう考えてもトモルのレベルや能力との差が小さい。
トモルの能力値は120と400の二つが並んでる。
それがどういう意味なのかはまだ分かって無い。
なのだが、そのどちらと比べても冒険者の数値はそれほど高いものではなかった。
120の方と比べてみれば、確かに大きな差がある。
200を超える数値が並んでる冒険者のものは、120よりは大きい。
しかし、それでも極端な差があるようには思えなかった。
レベルの差もあるからだろうか。
また、400という数字と比べてみれば、半分かそれより上といった能力しかないという事になる。
(どうなってんだ?)
能力値を見せてもらって、謎は余計に深まった気がした。
それでも能力値や技術について詳しく聞いていく。
数値は長い間見てきたが、その意味を正確に把握してるわけではない。
むしろ分からない事の方が多いので、少しでも聞き出していかねばならなかった。
そんなトモルに冒険者は、やれやれといった調子で話していく。
ある程度個人差はあるが、能力値というのは概ね100前後というのが普通であるらしい。
もちろん全ての者が100を中心とした数値を持ってるわけではない。
中には全ての能力値がこれを下回る者もいる。
その逆に全ての能力がおしなべて高い者もいる。
だが、人間の能力だとだいたい100前後でまとまっているらしい。
それが人間の平均なのだろう。
そして、レベルが上がる事で、だいたい10点から20点くらい能力値が上昇していく。
これはどれか一つが上昇というわけではなく、レベルアップの時点で全ての能力値がこれだけ上がるらしい。
もちろんここでも個人差がある。
もともと優れていたものは伸び率が高いし、その逆ならさほど伸びない。
これも個人差なのだろう。
その為、レベルが上がると秀でてる部分と劣ってる部分の差が激しくなる。
それでも、普通の人間ならば、概ねほぼ並んだ数値になっていくという。
このレベルは成人である15歳までにだいたいレベル3~5まで上がるのが普通である。
親の仕事の手伝いや学業や稽古などで経験値を得られるかららしい。
そして、成人段階でだいたい能力値が150~200当たりになるという。
そのあたりが成人の平均値と言える。
「まあ、子供の頃は数値がもっと低いんだけどね。
やっぱり体が小さいから能力値もかなり低くなるみたいだ」
幼児期による下方修正というものなのだろう。
確かに子供が成人と同等の能力を持ってるのはおかしなものだ。
例え同じレベルであっても、大人と子供ならば大人の方が優れてるのが普通だろう。
そして、これを聞いてトモルは自分の能力値がどういうものなのかを理解した。
(そういう事か)
今のトモルの本来の能力値は400。
だが、子供であるから修正が加わり120になっている。
確証はないが、おそらくはそういう事なのだろうと予想した。




