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210回目 実家のお仕事

 トモルが実家に帰って一ヶ月。

 一通り仕事を見て回り、実際に仕事に手を付ける事になっていった。

 とはいえ、やる事はそれ程多くはない。



 まだまだ下積みの段階でもあるので、基本的には書類に向かい合う事が多い。

 また、小さな領地における産品などの状況を聞いて回るのがせいぜいである。

 さほどやる事は多くはない。

 冒険者が居着いたことで様々な商売が増えてきてるが、それらもまだそれほど多くはない。



 一番手間で面倒なのは、治安巡回くらいである。

 領地を巡り、問題がないかを聞いていく。

 警察の行なってる巡回のようなものだ。

 違いがあるとすれば、何らかの問題が起こった場合の裁定も行う事であろうか。

 臨時の裁判のような事も行う事も出来る。

 このあたりが領主の権限といえる。



 それほど問題が多発するわけではないが、何かあった場合は裁判官じみた事もしなくてはならない。

 だが、そうそう問題が起こることも無いので、実際には統治してるいくつかの村を見回るだけで終わる。

 それでも、移動手段が歩きしかないので一日がかりの仕事になる。

 これが結構大変な作業になってはいた。

 今までですらもだ。



 ここに冒険者の居留地も加わっている。

 これが難しさを更に跳ね上げていた。



 荒くれが多い冒険者である。

 経験値を得てレベルアップしてる者も多く、そういった者達の中には言う事を聞かない者もいる。

 高い能力を持つことで傲慢さが出てきたのだろう。



 巡回してるトモルの父にもくってかかる者がいたりする。

 そういった相手に対処するために、トモル達も腕の立つ者を伴っていく。

 そういった者達は倫理や道徳、法律や規律を説いても仕方が無い。

 力でゴリ押ししようとするような輩は、力で叩きのめさないとどうしようもない。

 こういった者が増えた事で、巡回は危険が伴う作業になってしまっていた。



 こういった者が村にまで出てこないよう、見張る必要も出てきてしまっている。

 もとより余所者である冒険者などは、村に入らないよう伝えてはいる。

 その外側に居留地も作っている。



 しかし、それで飽き足らない者達が村にまで押しかける事も増えていた。

 村の方に娯楽施設があるわけではなく、行っても手に入るものなど何もないにもかかわらず。

 そうしないよう再三にわたって注意をしているのだが、これが改善される気配はなかなかない。



 こういった事をトモルは父に付き従いながら見ていく事になる。

 簡単に終わるようなものもあれば、そうでないものもある。

 どうにかして対処しようにも、それもなかなか難しい。

 特に暴れる冒険者は簡単に対処出来そうもない事だった。



 それでも冒険者達が暴れ回らないように、何らかの対処が必要だった。

(どうしたもんかな)

 早速の問題にトモルは頭を悩ませた。



 今のトモルの立場では、これに対処する手段を実行する事は出来ない。

 この領地の後継者であろうとも、実権は父が握っている。

 その父を通してしか対応や対策を実行する事は出来ない。



 それが悪いとは思わないが、早急にどうにかする事は出来ない。

 まずは提案をして、対応や対策が有益であることを示さねばならない。

 小さいながらも領主の抱える統治機構としては、こういった手順を踏まねばならなかった。



(でもまあ、提案だけはしておくか)

 対応策がいまだ出されてないのを確かめつつ、トモルは自分の考えをまとめていく。

 出来るだけ早く領主である父に提案するために。

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