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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第6章

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209回目 とりあえず話はまとまる方向で進むことに

「羽川家から返事が来た。

 前向きにこの話を進めたいとの事だ」

「ありがたいです」

 父に呼ばれたトモルは、そう言って胸をなで下ろした。



 これで結婚にまつわる煩わしい話から解放されると。

 だが、事が終わったわけではない。

「まずは婚約をせねばならんがな」

 父の言葉が、これから先の面倒を物語っている。



 結婚そのものはまだ先の事としても、それが確定したことをはっきりさせておかねばならない。

 その為に婚約をするのだが、これがそれなりに手間と面倒がかかる。

 実質的な結婚のようなものなので、様々な方面に働きかける必要があるのだ。



 貴族であれば直属の上位貴族に報告し、担当する省庁にも届け出なければならない。

 それらの許可を得るというよりは、あくまで自分達のする事を報告するだけではあるのだが。

 それでも相当な手間がかかってしまう。



 これに加えて親族などにも話を伝えておかねばならない。

 家同士の繋がりで力関係などが変わる貴族である。

 結婚によって勢力図が変わる可能性もあるので、関係する一族を無視するわけにはいかなかった。



 そうした上で、当事者同士の婚約を成立させる事になる。

 婚約一つとっても、これだけの面倒があった。



 もっとも、そこは気楽な末端貴族である。

 勢力争いや権力争いなどが関わってくるのは、一定以上の爵位を持つ上位貴族達くらいだ。

 トモルの柊家くらいではさほど問題にはならない。

 相手が有力者に連なる、それも有力者にかなり近い位置にいる者が相手でもない限りは。



 幸いにして羽川家は、そんな上位貴族でもないし有力者でもない。

 藤園に連なる家ではあるが、それでも末端も末端である。

 更に言えば柊家とて、間接的にであるが藤園の末端に位置している。

 派閥的な意味での問題も存在しない。

 特に何の問題もなく、トモルとサナエの結婚や婚約は成立するはずである。



「あとはお前がしっかりするだけだぞ」

「ええ、分かってます」

 父の言葉に頷く。



 婚約をするという事は、それだけの食い扶持を稼ぐ立場にいる事を意味する。

 トモルの場合、領主の跡継ぎとして立場を確定したという事になる。

 さすがの貴族も、そうでなけれれば婚約など軽々しく出来るものではない。

 貴族であっても次男三男以下は部屋住みで冷や飯ぐらいが基本なのだ。

 役人などに取り立てられるのでもない限り、だいたいそんな境遇になる者が多い。



 これも上位の貴族であれば話は変わってくるが、下っ端ならばどこもたいていそんなものである。

 柊家も例外ではない。

 だからこそ、婚約というのは家督相続を示す事にも繋がる。

 あくまで後継者を示す一例であり、これだけが全てではないが。



 もとより長男ではあるし、問題が無ければそのまま家を継ぐ事にはなる。

 だが、それも何らかの理由で覆る事もある。



 幾ら長男と言えども人格や能力に問題があるならば後継者から退けられる。

 そうでないという確約がなければ、簡単に後継者にする事も出来ない。 

 だからこそ、ある程度の成長を待って、後継者・継承者・相続者と認めるかどうかを決める。

 トモルはその点において問題なしと判断されたという事である。



 だからこそ父は、先にタケジの家との婚姻を考えていた。

 後継者に据えようと考えてなければ、こんな発想は出てこない。

 既にその時点で父がトモルを後継者に考えていたと言える。



 トモルもそれは理解している。

 だからこそ、しっかりとした食い扶持を確保するべくがんばっていくつもりだった。

 その為にも冒険者を上手く活用していかねばならない。

 今のところ、この領地において最大の稼ぎ口なのだから。



 また、モンスターの排除によって、利用可能な土地も増えている。

 田畑もその分拡張出来るというもの。

(どうにかしてそっちに関わる時間を確保しないと)

 そうする時間をどうやって確保するかで本格的に悩む事になりそうだった。

 誤字脱字報告、もらったものをとにかく適用中。

 間違いの多さに我ながら唖然としてしまいながら。

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