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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第6章

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200/531

200回目 帰郷にあたってまた問題が 3

(どうにかしないと。

 それも、すぐに)

 トモルの頭はそれだけでいっぱいだった。

 このままいけば、確実に婚約となってしまう。

 そうなったら、柊家はおしまいだ。



 下手すれば、タケジの家の者達に柊家が乗っ取られる事もありえる。

 表立っては柊家が存在していても、裏で糸を引くようになりかねない。

 というか、確実にそうなるとトモルは考えていた。



(連中のやり口を考えればなあ)

 基本的に、タケジの家のやってることは、迷惑をかける事である。

 そう簡単に排除されない立場を利用し、好き勝手やる。

 それが嫌ならば、言う事を聞け、というわけである。



 つまりは脅迫である。

 こんな方法がまかり通ってるのだから恐ろしい。

 そんな連中を大人しくさせる方法など一つしかない。

(本当に身動き出来ない状態になってもらうしかないか)

 手間がかかるのであまりやりたくないが、トモルは思いつく解決手段を実行する事にした。

 帰郷の途中であるが、やるべき事をやるしかない。



 その夜。

 帰郷途中の宿から抜け出したトモルは、目的地へと向かう。

 能力強化の魔術を使い、凄まじい速度で走りながら。



 そんなとある日の夜。

 タケジの家は突然の猛火に巻かれて焼け落ちていった。



 竈から拡がったと言われる火炎は、家を丸ごとくるんでいった。

 当然ながら家に居た者達はその中で息絶えていく事になる。

 火の勢いを示すように、全身を炭にして。



 この結果に村の者達も、検分に来た柊家当主であるトモルの父も唖然とした。

 確かに夜中の事であり、寝ている時に火に襲われたらどうにもならないだろう。

 しかし、誰も生き残れないほどの猛火が、そんな簡単に発生するのかと思った。



 いくら何でも、そこまでの猛烈な勢いの炎など、そうそう発生するわけではない。

 一人か二人くらいは逃れる事が出来るものである。

 だが、それが今回は全く発生していない。

 タケジの家の者達は、揃って寝所で消し炭になっていった。



 ただ、不思議な事に、タケジの家の使用人達は生き残ってる。

 事前に逃げる事が出来たようだ。

 これもこれで不思議なものである。



「おかしなもんだ」

 その後やって来た役人も、保存されていた現場の様子を見て首をかしげた。

 だが、おかしいと思ってはいても、現実にそうなってるのだ。

 それを覆す事は出来ない。



「まあ、本当に熟睡していたら、火に気づく事もないかもしれんし」

「火に包まれてしまえば、呼吸も出来ないと言いますからな。

 火が回ってる頃には、もう息が出来ずに窒息してたのかもしれません」

 結局、検分結果としてはそう記すに留まった。

 そしてこの出来事は、その後思い出される事もほとんどなく、時間の流れにのみこまれていった。



 翌朝。

 トモルは何気ない顔で宿に戻っていた。

 魔術による肉体強化を駆使し、一晩で目的地へ向かい、やる事をして。

 結果は出た、成功である。

 その事で気分は爽快だった。



 それが巻き起こす事態がどうなるかは予想しきれない。

 しかし、それほど悪い結果にはならないと思えた。

 少なくともトモルにとっては良い事に繋がっていくはずである。



(まあ、駄目ならその時はその時だ)

 つとめて気楽に考え、馬車に乗り込む。

 早ければ今日明日にも実家に到着する。

 それまでは何も考えずにのんびりやっていこうと思った。



 その後、無事に家に帰り。

 なんだかせわしない家の中を見て、事が皆に知られてるのを察した。

 あらためて何があったのかを聞き、求めていた通りの結果になってるのを知る。

 その結果に安堵した。



 慌ただしく動く者達と、深刻そうな顔をした者達。

 村や家の者にとっては大変な事なのだろう。

 しかし、トモルは望んだ結果が出てる。



 あとは求めていた通りの流れになれば、と思いながら親に挨拶を済ませ、部屋に戻る。

 そこで大きく息を吐いた。

(これで学校に時間をとられる事はなくなったな)

 それ以外の面倒も解消したと考えながら。

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