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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第5章

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143回目 女の子の気持ちは分からないが、悩みや手間は増えていく

(まあ、変わりないようで)

 俯いてるサエや他の者達を見てそう思う。

 村から離れて数ヶ月程度だし、それ程大きな変化があるわけもない。



 だが、それでも数ヶ月である。

 多少は面識がある者達が、何事も無く過ごしてるのを見ると安心する。

 ただ、それでも分からない事もある。

(なんでサエがこんなに俯いてるんだ?)

 それが不思議でしょうがなかった。



(そこまで内気ってわけでもないはずなんだがな)

 記憶を手繰って普段のサエの事を思い出す。

 決して派手な方ではないし、目立つわけでもなかった。

 とはいえ、居るかどうかも分からないほど存在感が無いわけでもない。

 普通、どこまでも普通な感じの子であった。

 強いて言うならば、トモルの前では大人しいといったところか。



(タケジの事があってから、ずっとこんな調子だったけど)

 それが何かしら原因にはなってるのだろう。

 トモルの前では俯く事が多い。

 嫌われてるわけでも警戒されてるわけでもないのは何となく分かるのだが。

 何故そうなるのかが一向に分からないでいた。

(害はないけど)



 なんとなくそれが気になりはした。

 とはいえ、取り立てて追及する事でもない。

 いずれ話したくなった時に理由を聞かせてくれればとは思っていた。



 そんなサエは、意を決するように、

「あの……」

とトモルに声をかける。

「トモル兄ちゃんはいつまでこっちにいるの?」

「ん、学校に戻るまでだけど……だいたい10日くらいかな」



 帰りの馬車での移動の事もあるので、ある程度早めに出発しなくてはならない。

 それまではここにいる予定だが、完全に日程が決まってるという事でもない。

 遅れるわけにはいかないが、一日か二日くらいの前後はあるはずであった。



「それまではこっちにいるよ」

「本当に?」

 尋ねるサエは何故か笑顔を浮かべている。

 周りの子供達も、ニヤニヤと面白そうに笑みを浮かべながらトモルとサエを見つめている。

(なんだ?)

 そう思いつつもトモルは、

「ああ。

 一週間は確実にこっちにいる事になるから」

と答えた。

 それを聞くと、サエは嬉しそうに顔をほころばせた。



 同年代の者達には、こっちにいる間は一緒に遊ぼうともちかけられた。

 だが、トモルはそれは難しいと告げる。

「帰ってきても、家の事であっちこっち挨拶に行かなくちゃならないみたいなんだ」

 嘘である。

 そんな事言われてはいない。

 もちろん、言わずともそれくらいは当然というのが貴族の家であるかもしれない。

 だが、トモルはそれを言い訳にして作業を進める予定だった。



(こっちにいるうちに、出来るだけ下調べと準備はしておかないと)

 ダンジョンにいたる道。

 その途中に設置する避難所兼冒険者の詰め所。

 これらを用意して、後日の備えにしていく。

 そうなると同郷の者達と一緒にいる時間はそうはとれない。



 ただ、誘いを無下に断るのも申し訳なかったので、なんとか時間を作るとは言っておいた。

 全く保証は出来なかったが。

 それでも彼等と一緒にいる時間はなるべく作ってみようとは思った。

(もしかしたら、必要になるかもしれないし)



 同郷の者達が今後必要な時が来るかもしれない。

 それに備えて、少しは下地を作っておきたかった。

 そんな妥協と打算まみれの考えを抱きながら、村における行動予定を追加していく。

(あいつらと一緒の時間をどうすっかな)

 悩みは次々と増えていく。

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