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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第4章

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122回目 特に不思議も何もない、彼等の現状

 縛り上げられた手首と足首の先。

 そこは血流が止まって変色している。

 縄が解かれると、そこに一気に血が流れ込んでいく。

 当然、冒険者達はしびれを感じていく。

 手足が自由になっても、すぐには喜べない。



 痺れがなくても、関節を外され、骨を折られてるのだ。

 それで無理な方向にねじり曲げられてる。

 手足をまともに動かす事など出来ない。



 幸い致命傷といえるほど酷い傷や怪我ではない。

 だが、まともに動く事は望めない。

 そんな状態になってる冒険者は、縄を解かれても動く事が出来ない。

 トモルもそんな彼等を逃がすつもりはない。



 地面に転がってる連中から武器や防具を外していく。

 防具は少々手間がかかったが、留め金や固定するための紐を刃物で切れば丸裸に出来た。

「おい、何しやがる」

 抗議をする者もいるが、そんな声がトモルを止める事はない。



 次々に防具をはがし、冒険者達を丸裸に近い状態にしていく。

 モンスターの巣窟の中でそんな格好でいるのは自殺行為でしかない。

「テメエ、何しやがる」

「何なんだよ、何なんだよコレは」

 悲鳴のような声を次々に上げながら、冒険者達は非難をしていく。

 これではモンスターに襲われた時に生き残る可能性が更に下がってしまうからだ。



 まともに動けない時点で生き残る事は絶望的なのだが。

 それでも冒険者達は、ダンジョンで丸裸になる事を恐れた。

 これでは、生き残る可能性が減ってしまうと。

 そんな可能性、とっくに無くなってるのにも気付かずに。



 取り外した防具を一つにまとめる。

 手間ではあるが、持ち帰るためだ。

(こんなんでも、はした金にはなるかな)

 もう防具として使えないようなガラクタ状態ではある。

 売っても二束三文にしかならないだろう。



 だが、ここに放置していくのも気が引けた。

 ダンジョンの崩壊に巻き込まれれば消失してしまう。

 それは、もったいない。

 前世の日本における省エネ・再利用の考えがトモルには残っていた。



 使える物は可能な限り使いたいと思ってしまう。

 なので、壊れた防具も持ち帰りたかった。

(貧乏性だよなあ……)

 たいした事もない防具を、それでも後生大事にしようと考える自分に呆れた。



 それよりも冒険者である。

 意味もなく絡んできた連中だ。

 このままにしておくつもりはない。

 どこかで再利用するという事も出来ないし、するつもりもない。



(ゾンビとかに出来れば、使い道もあるかもしれないけど)

 そういった呪術などは身につけてない。

 なので、冒険者達を使役する事も出来ない。



 そもそもとして、いわゆる黒魔術とか、死霊術などはあまり気が進まない。

 あれば便利なのだろうが、それでも出来るだけ避けたいものはある。

 死者を動かす類の呪術などは、出来るだけ近づきたくはなかった。

 それらに対抗する為に学ぶ事はあるにしてもだ。

(まあ、気が変わったら、その時にでも)

 そう思って、この場で身につける事はやめておいた。



 ただ、喧嘩を売ってきた冒険者達をそのままにするつもりはない。

 絶対にこの場で処分する事にする。



 まずは一人、適当な奴を担いでいく。

 他の連中はその場に残す。

 身動きが取れないので放置していてもあまり問題は無い。

 すぐに戻ってくればそれで良いだけだ。



 実際、トモルの移動力を考えれば、冒険者が逃げ出せる可能性はゼロである。

 周囲に隠れてやりすごそうとしても、トモルの能力と技術であればすぐに見つけ出す事が出来る。

 最悪、探知の魔術を使えば居場所は即座に分かる。

 彼等が無事に逃げ出せる可能性はゼロであった。

 奇跡でも起きない限りは絶対に不可能である。

 彼等の命運は、トモルに絡んだ時点で潰えていた。

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