表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/531

11回目 それでもまじめに励む日々 <能力表記>

 親に呼ばれてあちこち連れ回される日々。

 それでも、モンスター退治は続けていく。



 さすがに雨が降れば休みはする。

 そんな時でも勤勉さを発揮する事は無い。

 そういう日は自宅学習に精を出す。



 ただ、出来るだけ外に出ることにしていた。

 そんなモンスターを倒す日々をおくっている。



 レベルが上がったのは、そんな日々の中での事である。

 モンスター退治を始めて三ヶ月目が終わろうとしていた頃だ。

 ようやく経験値が規定の値に到達し、レベルアップを迎える。

 その結果の能力上昇などは次のようになっていた。





<< 状態確認 >>



柊 トモル


4歳 男


レベル1 → 2


体力: 30/100 → 60/200


健康: 30/100 → 60/200


敏捷: 30/100 → 60/200


智慧: 30/100 → 60/200


意志: 30/100 → 60/200


共感: 30/100 → 60/200



一般教養 レベル10


知識:地理 レベル3 → 4


知識:社会 レベル3 → 4


発見/探知 レベル0 → 1


潜伏/隠密 レベル0 → 1


運動 レベル6 → 7


刀剣 レベル4 → 5


斧 レベル0 → 1


格闘 レベル2 → 3


基本魔術 レベル3 → 4


知識:日本 レベル8


パソコン操作 レベル15




振り分け可能技能点数: 0 → 2点




<< 状態確認 >>





 能力値がようやく伸びてくれた。

 この伸び方がこの世界において普通なのかどうかは分からない。

 だが、今までより能力が上がった事は確かである。



 実際、体の動きが今までと違う。

 考えというか、書籍などを読んでの理解力も跳ね上がった。

 今までにない考え方も出来るようになっている。

 直観的な感知力も上がっている。

 視力や聴力などもだ。

(これがレベルアップか)

 その効果を実感した。



 また、技術も幾つかレベルが上がっている。

 これらはモンスター退治を続けた結果だろう。

 地理や社会も上がってるのが不思議だったが。

 これは父親に連れられてあちこち引っ張られた結果かもしれない。

 書籍を読んだ結果かもしれないが、それだけが理由ではないような気がする。

 はたしてどれだけ意味があるのか分からなかったが。



 とはいえ、悪い事ではない。

 出来る事が増えていくのはありがたい。

 ただ、次のレベルに上がるために必要な経験値を見ると、さすがに唸ってしまう。



<< 経験値: 16/20000 >>



 レベル1からレベル2に上がった時に、経験値1万を消費した。

 端数の16点というがそのまま残ったのだろう。

 そして、次のレベルに上がるために必要な経験値である。

(2万かあ……)

 さすがにこれはびっくりするしかなかった。



 1万点でも3ヶ月ほどかかっている。

 それが二倍である。

 この調子でいくなら、半年先までレベルアップはお預けになる。

 この世界におけるレベルアップの難しさがよく分かる。

(てことは、レベル3の次は、4万点が必要になるのか?)

 二倍ずつ必要経験値が増加するならそういう事になる。

 そこがどうなるか今は分からないが、かなり険しい道になりそうだった。



 気になるのは、振り分け可能技能点数である。

 レベルアップで増加したこれは、各技能の修得に使えるようだった。

 既存の技術レベルを上げても良い。

 未修得の技術を手に入れても良い。

 そこはかなり自由に使えるようだった。



 実際、修得可能技術はかなりの数になっている。

 学習や経験で得られるものではあるのだが。

 先にレベル1でも取っておけば後が楽になりそうだった。

 何も分からないのと、少しでも下地があるのとでは大きく違う。



 ただ、どんな技術をとれば良いのかまだ判断がつかない。

 必要と言えば全部必要になってしまう。

 その中から厳選していかねばならない。

 なので、何から始めるべきか悩んでしまう。

 ステータス画面にずらっと並んだ技能一覧を見て、あれこれ考えてしまう。



 そして出てきた結論は、

(あとにするか)

 であった。

(今すぐ決める必要も無いみたいだし、必要になった時に取ればいいや)

 今は手持ちの技術で問題がないという事でもある。

 無理して訳の分からないものを手に入れる必要は無い。



 今の時点で身につけておけば、今後の学習によるレベル上昇も楽にはなるだろう。

 だとしても、使いどころのないものをとってもしょうがない。

(まあ、焦らずじっくりいこう)

 特に急ぐ必要もないので後回しにしていく。



 そして、隠れて行ってるモンスター退治を更に続けていく。

 周りの者達はどこに何をしに行ってるのか気にはなるらしい。

 しかし、家の中でくすぶってるよりは良いと思ってるようだった。



 神社に通わなくなって、トモルの活動範囲というか外に出る理由は大きく失われている。

 近所の子供と遊ぶ事はあっても、それも神社から帰ってくる昼下がりまではお預けだ。

 これでは家の中でだらけてしまうかもしれない。

 幸いそうなってない事で、両親も周りの者達も安心はしてるようだった。



 実際は危険な事をやってるので、是が非でも家に引きずっていくべきだろう。

 しかし、誰もそこまでは考えていない。

 モンスターを倒しにいってるなど、彼等の想像の範囲外である。

 モンスターの相手はそれだけ危険である。

 子供には危険を常に伝えているし、子供もそんな恐ろしいものに近づこうとしない。

 だからこそ、彼等はトモルがしてる事を知らずにいた。



 モンスター退治は順調で、成果を着々とあげていた。

 レベルと共に能力が上がった効果は絶大で、攻撃も魔術も威力が向上している。

 さすがに一撃で倒せるほどではないが、鉈や手斧による攻撃は、足などを簡単に吹き飛ばすようになった。



 魔術のほうも、発生させる光の量が大きくなっている。

 これならば、と思って一度モンスターに魔術の火を投げつけてみた。

 それもかなりの威力になっていた。

 モンスターバッタ相手なら、それだけで体の一部を燃やす程である。



 ただ、周りの草木に火が燃え移る可能性があるので、そうそう使えるものではない。

 やはり光による目くらましが今のところ最善の手段だった。

 それか、土を隆起させて下から攻撃するかである。

 瞬間的に土を爆発的に吹き上げる事で、バッタなどは腹から一撃を受ける。

 そのまま吹き飛んでしまうほどだ。



 なのだが、痛みを感じないのか、バッタはそのまま動いていく。

 相当な衝撃を受けてるはずなのに、空中で翅を広げて滑空していく。

 そして、着地してそのまま逃亡したり、トモルに向かってきたりする。

 足を欠損してる事もあるので、全くの無傷というわけではない。

 だけど、これなら目くらましのほうがよっぽど効果がある。



 今少し威力が上がるまで、他の魔術はあまり効果的ではない。

 風や水は、軽く吹き飛ばすか水浸しにするくらいだからお話にもならない。

 まだ暫くは目くらましの光に頼る事になりそうだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ