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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第4章

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103回目 彼らの事情 5

 トモルはダンジョンを破壊するという一点を決して譲らない。

 崇高な理由があるからではない。

 それは確かだ。

 だが、わざわざダンジョンを存続させる理由もない。

 破壊出来るならさっさと破壊した方が良いものなのだから。



 それを止めようとする者に合わせるつもりはなかった。

 妥協は結局良い結果にはならない。

 結局どこかで破綻する。



 第一、ダンジョンの破壊と存続。

 そこにどんな妥協があるのか?

 ありはしない。

 無いものを求めても無駄なだけだ。



「俺はどんな事をしてもダンジョンを攻略する。

 ダンジョンを破壊する」

 あらためてハッキリと伝える。

「邪魔するっていうなら、それでもいい。

 俺はあんた達を倒してやりたい事をやる」

 呼び止めた冒険者達にそう言って、トモルはダンジョンへと向かおうとする。



「今日も手当たり次第にモンスターを倒していく。

 核には興味がないから、それはあんたらが好きにすればいい。

 ダンジョンを破壊するまでに出来るだけ稼いでおけ。

 路銀にはなるだろうからな」

 それを聞いて冒険者は考え込む。



 目の前の仮面をかぶった小さな存在に勝てるとは思えない。

 一斉に襲いかかればどうにかなるかもしれない。

 だが、それも分の悪い賭けにしかならないのも分かってる。

 だから強硬手段に出る事が出来ない。



 だが、そんな奴がダンジョン内のモンスターを倒して回ると言っている。

 モンスターの核には興味がないとも。

 ならば、労せずして核の取り放題である。

 稼ぎ時ではあった。



 しかも、本当にダンジョンを破壊するならばだ。

 別の場所への移動も考えなくてはならない。

 癪に障る話だが、路銀は確かに必要になる。

 それを稼ぐには、倒されたモンスターから核を回収した方が手っ取り早い。



 冒険者達は考える。

 仮面のかぶってる得体の知れない相手と戦うか。

 それとも、言う事を聞いて路銀を手にして他に移動するか。

 どちらが良いかは、考えるまでもない。

 もっともそれは、本当にダンジョンを攻略・破壊出来るかどうかにかかってる。



「なあ、本当にダンジョンを攻略するのか?

 つーか、出来るのか?」

「やるつもりだ。

 出来るかどうかは分からないけど」

「失敗したらどうすんだ?」

「その時はその時だ。

 俺は死ぬだろうし、ダンジョンはそのまま。

 あんたらは稼げる場所を失わずに済む」

「なるほど」

 冒険者もそれに気付いた。



 もしダンジョンがなくなったら、他の所に移動するしかない。

 その時の為に、路銀は稼がねばならない。

 だが、もし攻略に失敗したなら?

 その時はダンジョンは今まで通り。

 それでも、核を手に入れておけば、労せずして金が稼げる。

 決して悪い話ではない。



「分かった、あんたの言う通りにする」

 冒険者は色々考えてそういう結論に至った。

「おい、他の連中にも伝えておく。

 ここは諦めて新しい場所に行くようにな。

 あと、路銀はあんたが倒したモンスターから手に入れるようにって」

「そうしてくれ。

 俺も助かる、そうしてくれると」

 それで話はついた。



「じゃあ、今日もよろしく。

 路銀を調達するためにもな」

「分かってる。

 出来るだけ人を集めてくれ。

 取りこぼしが出るからな」

「確かに。

 昨日は大変だったよ、あんたについていくのが」

 冒険者はそう言って笑った。



「皆を集めてくれ。

 この人についていくぞ。

 それと、引っ越しの準備もさせておいてくれ」

 あちこちでそんな声があがる。

 全員、覚悟を決めたようだ。



 それを見ていたトモルは、嬉しそうに言う。

「出来るだけ大量に倒すから、後の処理はよろしく」

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