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たくらむ者達

 真影は情報を少しずつ小出しにしながら相手の様子をうかがっていた。

 警戒はしているようだが、紙片の送り手に興味を持ったようでもある。

 さてどう出るか。

 真影は次の打つ手を考えていた。

 そして次の転機はやってきた。

 藩冠黎がいきなり言い出したのだ。

 真影が見張っていたある官吏の暗殺計画を。

 藩欧外はやはりあっちこっちで私腹を肥やしていたらしい。

 そして、その埋め合わせを別口にさせるつもりなのだ。

 金銭を扱う適当な管理を自殺に見せかけて殺すかそれとも別口の金銭トラブルに見せかけて殺し、すべてを死人に口なしと押し付けるつもりなのだ。

 わかりやすい手口ではある。

 どうやらすでにその手口で、何人か始末したらしい。まことに寧州長官はどれほど王に文句を言うことになることやらだ。

 しかし、もしかしたら、藩欧外は以外にできる人なのかもしれない。

 ろくでもないが、あれで寧州長官は王の信任が篤い。それなりにできる人間のはずだ。それを出し抜くとしたらそれなりにやれるのだと思われる。

 まあいい、こちらの情報を小出しにすれば、あれは釣れる。

 真影は神妙な顔で頭を下げながら、ほくそ笑んだ。

 これから暗殺計画を神妙に聞かせてもらう。そしてその情報を使ってあの官吏を味方に引き寄せる。

 そして詳細にその官吏の情報を聞き出した。

 

 例の官吏の名前は斉宗園、経済省の司、年齢42歳、実家は富豪。

 そのあたりを頭に入れる。

 しかし、富豪ならわざわざ危険を冒して国庫に手をつけることもないんじゃないかと思われる。

 その辺考えてないなあ。

 こっそりと相手をくさしつつ、真影は紙片を手に斉宗園のいる場所に向かう。

 真影の姿を見かけ、そしてその紙片に目を向ける。

「今まで、この紙片を置いていたのは君か?」

 真影はその場に跪く。

「申し訳ありません、僕は」

 そう答えて、真影は言葉を詰まらせる。

 もちろんわざとだ。

「どうかしたのかね」

 うつむく真影がその唇をにやりと釣り上げているなどと思いもせず宗園は真影に話しかける。

「どうかお助けください」

 真影はうつむいたまま話しかける。

 帳簿について冤罪を仕掛けられたこと、そのことを盾に脅迫を受けていること、そして、宗園を暗殺する手助けをしろと命じられていることをつらつらと語る。

 たちまち相手の目が険しくなる。

「ですが、そんな恐ろしいことに手を染めるなんてできません」

 うつむいた真影を泣いていると思ったのだろう、その頭に手を置く。

「どうすればいい」

「どうか信じてください、僕は必ずやその詳細をつかんでお知らせします。どうか僕を信じてください」

 そういう真影の言葉に相手は息をのむ。

「見張られているかもしれません、ですがいつもの通りにお知らせします」

 そう言って真影は相手のそばから離れた。

 その時真影は足早にその場を立ち去ったため知らなかった。

 斉宗園が頬を赤らめていたのを。

 斉宗園、特色は男色家、そのため真影が見張り役に選ばれたのだが、そのことを真影は知る由もなかった。



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