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新しい幽閉場所

 美蘭は後宮ではなく見覚えのない部屋に通された。

 王が訪ねる。

「お前、格闘技なんかどこで覚えた?」

疑われているのかと思ったが美蘭にやましいことは何もない。

「それなら、南部戦線の生き残り、関伸清殿に、河美蘭を知っているかと訊ねてください、住所は南大通の三番です」

 美蘭は嘘をついてもしょうがないので本当のことをこたえる。

「まず、お前の処分だが、希望はあるか?」

「処分?」

 不穏な言葉にキョトンとした顔で王を見る。

「数十人からの人間を口封じしなければならない国家機密を知ってしまった以上、普通の生活ができるとは思わないよな」

 そう言われればその通りだ。しかし美蘭も常識はわかっているそんなやばいこと言いふらしたりしない。

「お前が言いふらすかどうかは関係ない、お前が知っているそれが問題なんだ」

 うなっていると王がため息をつく。

「だから、後悔するなと言ったろう」

 その通りなので何も言えない。

「それでどうする、選択肢をやろうか」

「それって自殺か幽閉ですか」

「その通り、どっちを選ぶ?」

 少々うなりながらもそれでも答えは決まっている。

「幽閉でお願いします、それと、うちの家族に仕送りの件ですけど、報酬はまとめて送っていただけますか」

「それでいいのか」

「幽閉されたら、お金があっても使い道はないでしょう」

「本当に、割り切りが早いな、そう覚悟を決めたなら、こちらとしても都合がいいかもしれない」

 美蘭はそのまま部屋の奥にある寝台に投げ込まれた。

「え…?」

 王も寝台に上がってくる。


 ぎしぎしと痛む身体を堪えて、後宮女官長に案内されて、これから美蘭が住むと言われる部屋に連れていかれた。

 幽閉に場所にしては妙にきれいなところだ、もっとおどろおどろしいところに住まわされるかと思っていたが。

 壁や柱天井の作りは後宮と同じくらいいい。

「こちらです」

 美蘭が入ると背後で鍵をかける音がした。

 ちょっとした小部屋ほどもある場所だった。壁に刺繍を施された壁掛けがかけてあり、壁自体にも細かな装飾が施されている。

 そして目の前には大きく開かれた窓があり、その向こうに庭園が広がっていた。

 小部屋の両脇にそれぞれ扉があり、開けていくと片方には卓と椅子が置かれた部屋、食堂にでもするんだろうかそしてもう片方が何もない敷物を敷き詰めただけの部屋だった。

 家具のあるほうに進み、その突き当りにもう一つ扉があった。

 その扉を開ければまた別の部屋がある。

 そうして美蘭は部屋から部屋へと歩いて行った。そして最後に元の場所に戻った。

 最終的に部屋はロの字に配置されており、最初の部屋と、寝室らしい寝台のある部屋以外はがらんとして何も置かれていない。

 食堂の向こうの何もない部屋は庭園に降りる扉がついていた。

 そして外に面した窓は一つもなかった。

 すべての窓は庭園の側だけだ。

 高い木が二本それ以外は低木と草花だけだ。

 この庭園が換気と明り取りを兼ねているのだろう。

 探検といっても六部屋だ。一番広い部屋が寝室だが、そこにも寝台だけが置いてあるだけだ。

 あっという間にすることが無くなり、美蘭は食堂の椅子に座った。


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