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97 ホルスタイン
「恋の落とし穴に、胸って必要かな?」
「知らんわ」
「あ~。胸おっきいほうが寄ってきそうだよね~」
「だよね!」
「そうか?」
「でも~、ぺったんこのほうが落ちやすそ~」
「だよね!」
「どっちだよ」
「右がおっきくて~、左がちいさければいいのかな~?」
「不気味すぎて寄って来んわっ」
「四つあればいいんじゃない!?」
「牛か!」
「……ちょっとそれはいくらなんでも暴言だと思うよ? 雪ちゃん」
「自分の胸がちいさいからって~、悪口いうのはよくないよ~、雪ちゃん」
「いや、わたしは胸の数についてツッコんだわけで、大きさについては触れてないからな?」
「もう! この子はすぐ言い訳して。もう!」
「牛っ!」