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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
73/448

73 せるふまて

「うどんおいしそうだね~」

「ねー! おいしそう!」

 海彩(みどり)瑞葉(みずは)はそれぞれの目の前にある天ぷらうどんを見つめる。

「おいしそうだね~」

「ねー!」

 二人はうどんを見つめ続ける。

「おいしそ~……」

「ね……」

「……いや、食べてもいいよ?」

 見兼ねた美雪(みゆき)が促す。その美雪も二人に合わせてうどんに手を付けていなかった。

「いいの~?」

「奢ってくれるの!?」

「いや、奢らねーよ」

「え~。残念~」

「おいっ」

「こりゃ食い逃げするしかないね?」

「するな! いやしなくていいから!」

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