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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
70/448

70 丼二杯、小皿六枚

「ご注文をお伺い致します」

 呼び出しボタンを押して、やって来た店員を見た瑞葉(みずは)海彩(みどり)は、とびきりの喜びに満ちた笑みを浮かべた。反対に美雪(みゆき)は、そんな二人に少し呆れた。

「スマイルひとつ下さい!」

「もひとつください~」

「えー……えーと、えへへ……?」

 瑞葉と海彩の無茶な注文に苦笑いを浮かべる店員。

「なんかすみません。えと、天ぷらうどん一つ」

 美雪はメニュー表を見ながらその文字を指差し、ちらっと店員を一瞬確認してから、瑞葉に目を向け注文を促す。

「同じやつもうひとつ!」

「アタシも同じのでおねがいします~」

「いや好きなの選べよ」

「雪ちゃんの好きなモノがあたしの好きなモノだよ!」

「そうだよ~」

「うっさい! あ、えと、注文は、その、以上で……」

「雪ちゃん照れてる~」

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