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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
7/448

7 ツッコミ

「わあーい! 久しぶりだねっ、雪ちゃん!」

 美雪(みゆき)が不良だと思い込んでいた子、瑞葉(みずは)が、飛び込むような勢いで美雪に抱き付く。

「会いたかったぞ。瑞葉」

 それを美雪が両腕を広げて受け止める――

「って、なるか!」

 美雪は手の平でぺちぺちと、抱き付く瑞葉の頭を軽く何度か叩いて、自分の体から引き剥がした。

「さて、どこからつっこんでやろうか……」

 まるで品定めをするかのように、瑞葉の染めた髪を美雪の手がゆっくりと梳かし、ネクタイでなければいけないリボンの縁を指でなぞり、丈の短すぎるスカートの裾を摘まんだ。

「やだ……こんな朝から突っ込むだなんて雪ちゃん大胆っ」

 わざと恥ずかしそうな顔をして上目遣いに美雪を見つめる瑞葉。

「あーもう、こんな髪にしちゃって。入学式どうすんのさ」

 それを普通に無視する美雪。無視された瑞葉の顔は見る見る内に真っ赤に染まっていく。

「えっ、まって、スルー? さっきのあたしの発言、スルーされるとすごく恥ずかしいんですけど!」

「だって、もう何回も聞いたことあるから流していいかと思って」

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