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69 丼二杯、小皿二枚
「ご注文が決まりましたらこちらのボタンでお呼び下さい」
店員が水の入ったコップを三杯置いていく。
「……今の店員さん、胸おっきかったね」
瑞葉がこっそり言う。
「ね~」
海彩が相槌を打つ。
「おまえらどこ見てんだよ……。ってかその手の動きやめろ!」
瑞葉は美雪の方に向けて空中で両手を揉み揉みと動かしていた。
「揉むとおっきくなるっていうよ?」
「都市伝説だから!」
「おっきくしなくていいの~?」
「しなくていいよ」
「あたしは雪ちゃんのおっぱいを大きくしたいよ!」
「おま……っ、だまれ! へんたい!」
「雪ちゃん赤くなってる~」
「なってない! メニュー決めるぞ。メニュー」
逃げるように美雪はメニュー表で顔を隠した。