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65 一年中
「で、うどんにする? 赤飯にする?」
「それとも、あ、た、し?」
選択を迫る美雪に、瑞葉は上目遣いになり唇に指を当てて更に選択肢を付け加える。
「食べ物で頼む」
「えー。あたし雪ちゃんと海彩ちゃんになら食べられてもいいよ?」
「食べないよ……」
「アタシは雪ちゃん食べれるよ~?」
「食べなくていいから……」
「あいだを取って冷やし中華はどお!」
「どこをどう取ると冷やし中華になるんだよ」
「まだ始まってないかも~」
「かもな」
「ちょっと冷やし中華始めてもらえるよう頼んでくる!」
「頼まなくていいから! 元々候補に上がってないし!」
「お赤飯はじめました~」
「祝い時だけでいいから!」
「おうどん始めました!」