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62 最強のシステムと致命的なバグ
「雪ちゃん何食べたい?」
「んー。今は特に食べたいのないかな。瑞葉と海彩の好きなのでいいよ」
美雪のその言葉で途端に息を荒くする二人。
「じゃ、じゃあ! あたしは雪ちゃんの靴下で!」
「アホか! 食えんわ!」
「瑞葉ずるい~! じゃ~アタシはブラジャ」
「アホ!! 常識で考えろ!」
頬をほんのり染めて、両腕で胸を押さえる美雪。
「雪ちゃん知らないの? 最近は下着を食べるのがブームなんだよ」
「ねえよそんなの!」
「雪ちゃんがないっていうならないかも~」
「そうだねっ。雪ちゃんが“カラスは黒い”って言えば世界中のカラスは黒くなるからねっ」
「もともとだよ」
「もともとだって~」
「“もともとカラスは黒い”か。わかったよ、世界中に伝えてくるね!」
「伝えなくていいよっ。てか瑞葉の力じゃ無理があるだろ」
「“あたしの力には限界がある”か。わかったよ、世界中に伝えてくる!」