表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
6/448

6 未確定

「どうしたの? 大丈夫?」

 到頭その場に座り込んでしまった美雪(みゆき)を見て、隣の柱に凭れ掛かっていた不良は近付いて美雪に声を掛けた。

「えっ、あ、はい!」

 まさか話し掛けられると思っていなかった美雪は思わず顔を上げ、自分を見下ろす不良と目を合わせてしまった。朝日による逆光で陰る不良の顔は、一際不気味に見える。

「……っ!」

 美雪は声にならない悲鳴を上げ、痙攣したかのように一瞬大きく体を震わした。それが滑稽に見えたのか、目の前にいる不良は笑いだす。

「あははっ。そんなにおびえてどうしたの? 雪ちゃん」

「……へ?」

 自分の愛称が不良の口から出てきたことで、美雪が無意識の内に全身に込めていた力がふっと抜けて間抜けな声が零れた。

 そういえばこの不良の声はすごく聞き覚えのある声だぞ、と美雪は不良の顔をじいっと見つめる。今はもう怖くなかった。

「なになに雪ちゃん。あたしの顔になにかついてる? それともちゅーしてくれるの?」

「おまえ……瑞葉(みずは)だな?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ