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58 三人がいいのです
「ちなみにこの学校に帰宅部はないぞ」
三田先生が告げる。
「え~。残念~」
「言っときゃいい感あるだろ」
あまり残念そうに見えない海彩に、美雪が気付く。
「え~。そんなことないよ~」
「じゃあ、帰宅部入りたい?」
「雪ちゃんと瑞葉といっしょなら入りたいかも~」
「ほら、この通り! 先生のお力でなにとぞ、帰宅部を!」
瑞葉は両手を合わせる。
「やだ」
即答する三田先生。
「じゃー、しょうがないか」
「軽っ」
瑞葉の諦めが早すぎて美雪は思わず言葉を漏らした。
「え、だって“帰宅部”なんて名前にしたら、邪魔な人が入ってきちゃうじゃん?」
「邪魔な人って、おい」