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57 残業部
「あれ、何か私、変なこといったか?」
瑞葉と海彩、美雪の不自然な反応に、三田先生は戸惑う。
「あの、三田先生。わたしの名前、美雪なんです」
それに美雪が答えた。
「……え、……あ、ああ! 藤か。わるいわるい。雪って呼ばれてるもんだからてっきり」
「いえ。大丈夫です」
「三田先生も雪ちゃんって呼んでいいよ!」
「よくないよ」
「呼ばない」
「ほら」
「え~。残念~」
「三田先生となら友達になれると思ったのに」
「同級生となれよ」
「そうだぞ。それに私は生徒との距離感を大事にしている。近すぎるのもあまりよくない」
「部活は~?」
「部活動の顧問も引き受けていない」
「帰宅部? 帰宅部?」