表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
54/448

54 おもちゃ

「雪ちゃんひどいよ! いつもあたしのこと雑に相手してたなんて!」

 瑞葉(みずは)が泣きそうな作り顔をする。美雪(みゆき)はそれをすぐに嘘泣きだと見破れたけれど、出会ってからまだ数時間も経っていない三田先生は困り果てた顔をしていた。

「いつもじゃないよ。面倒くさいときだけ」

「うわあああん! あたしは雪ちゃんにとってめんどくさい女なんだあああ!」

「うわ、面倒くさいっ」

 美雪は本心を漏らす。

「……謝って!」

 瑞葉が両手で顔を隠し、ぷるぷると震えている。これは泣いたことによる嗚咽でも、怒りにより体を震わしているわけでもなく、三田先生の困っている姿に笑いを堪えているのだろう。

「そうだよ~、雪ちゃん謝って~!」

 なぜか海彩(みどり)も瑞葉の味方になっている。

「はー……。瑞葉ごめん、これからは瑞葉のこと雑に扱ったりなんてしないよ」

 美雪が謝ると瑞葉が顔を上げる。

「先生ってあだ名とかあるの?」

「雑だよ! わたしの扱い雑!」

 瑞葉と海彩があははっと笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ