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53 一見さんお断りさん
「あー。お前らこいつの知り合いか」
さっき瑞葉が出てきた生徒指導室の扉から三田先生が姿を現す。
「知り合いじゃないよ! 彼女だよ!」
瑞葉が否定する。
「彼女じゃないです。友達です」
更に美雪が否定した。
「幼ななじみです~」
海彩がのんびりと言う。
「“な”が多いよ」
美雪が突っ込む。
生徒三人のやり取りを見て、三田先生が優しく美雪の肩を叩いた。
「お前も大変だな……」
「いえ、もう慣れましたのでなんとか……」
「そうか。私はこいつと二人きりになったことを後悔している。疲れた」
「瑞葉なら割と雑に扱っても大丈夫ですよ?」
「そうなのか?」
「ちょっと雪ちゃん! 今ひどい言葉が聞こえたよ!」