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みみみみ  作者: 椥桁
入学式の日
42/448

42 かんせつけつ

「ほら、座れば」

 美雪(みゆき)が、教室の真ん中辺りにある机の椅子を後ろに引いて、瑞葉(みずは)を座らせる。

「ありがとう! さすが雪ちゃん」

「ほら、海彩も」

 更に美雪は一つ前の席の椅子を引いて海彩(みどり)に勧めた。

「ありがと~雪ちゃん」

 瑞葉が机を手の平でバンバン叩く。

「ここ誰の席? 勝手に座っちゃっていいの? 雪ちゃんの権力は流石だね!」

「そんなのないです。ただ単にわたしの席です」

「え、うそ、雪ちゃんと間接キスしちゃった!」

「キスじゃないし。まだわたし座ってないから間接ですらないよ」

「あ、間接ケツか」

「だから間接じゃないんだって!」

「直接ケツ?」

「ケツから離れろ」

「そんなことしたらふたつにわれちゃう!」

 海彩が大きく笑った。

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