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406 しるし
「今度おそろいのパンツ買おうか」
「嫌だよ気持ち悪い」
瑞葉が一歩詰め寄ると美雪は一歩退いた。
「アタシとじゃないとイヤだって~」
海彩が勝ち誇った顔で美雪に抱きつく。
「そういうわけじゃないけど」
すぐに振り解かれた。
「うわ~ん……。雪ちゃんには他に、おそろいのパンツをはく子がいるんだ~……」
「そういうわけじゃないけどっ!?」
「あたし達が目を光らせていながら浮気をするとは……、雪ちゃんやりおる」
感心して瑞葉は一人頷く。
「やってません」
「もうなにもしんじられない~……。おそろいのパンツの人しかしんじられない~……」
「別に信じなくてもいいけど」
「……お揃いのパンツとか引くわー」
嘆く海彩を余所に、瑞葉は二人から距離を取った。
「言い出したのはお前だっ!」