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405 モリモリ
「鞄あってよかったね」
「よかった~」
瑞葉が見つけた鞄を、海彩は大事そうに胸に抱えた。
「見事に落ちてたね」
「見事に落ちてたな」
瑞葉と美雪が揃って海彩の後ろを見た。
「落ちてた~」
「パンツは落としてない? 大丈夫?」
「え~と」
海彩はパッパッとスカートの上からおしりを触って確かめる。
「落としようがないよ」
なんとなく、気恥ずかしくて美雪は目を逸らした。
「大丈夫そう~」
「……ふむ。あの位置に布地があるということはTバックではないのか」
「お前は何の確認してんだっ! 穿くわけないだろっ」
「海彩ちゃんの髪型なら穿いてても不思議じゃないかなーて」
海彩の髪型は今日も寝癖でとんでもなく派手になっていた。