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404 忘れ物
「海彩ちゃんたまにパンツ穿き忘れてそう」
「ごめん、完全には否定できない」
瑞葉の言ったことを想像して美雪は頭を抱える。
「え~、はいてないよ~」
「えっ」
「穿いてないの!?」
海彩がスカートの裾を両手で押さえると、美雪も瑞葉もまさかと目を丸くした。
「まちがえた~。わすれてないよ~」
「そこ間違える?」
「雪ちゃんも同じような間違いしてたでしょ」
「あれは瑞葉が変なこと言ってきたからちょっと釣られちゃっただけだろっ!」
「アタシも~。瑞葉がへんなこというから、つられちゃった~……」
「あたしまだ何も言ってないよ!?」
「今も言ってたよっ! そういや海彩、学校の鞄は?」
「あれ~?」
「あれれ、海彩ちゃんさっきまで持ってなかった?」
「忘れてきちゃった~」