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402 鬼誘導
「雪ちゃんも、瑞葉も、朝から元気だね~」
「おかげさまでね……」
海彩が嬉しそうに両手を合わせると、気怠そうに美雪が答えた。
「でも今日の雪ちゃんちょっと怖くない……?」
恐る恐る、探るように瑞葉が尋ねた。
「いつも通りだけど?」
「頭から鬼の角が生えてるからか」
「生えてねーよっ」
「あたしが変なこと言っても鞄の中の金棒で叩くのやめてね」
「入ってねーよっ」
「パンツ何色?」
「穿いてねーよっ」
「え……?」
「あっ……」
「ちょっと確認させてもらってもいいかな?」
瑞葉はゴクリと唾を飲み込み、海彩は黙って見守っていた。
「違う! 穿いてるしっ! 駄目に決まってんだろっ!!」