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38 入学式の朝です
「みんなおっはよー!」
瑞葉は教室に入ると共に元気良く挨拶した。
「おまえ……皆ほとんど初対面なのによくそんなことできるな」
美雪は自分なら絶対に無理だと思いながら、瑞葉に感心する。
「でも~、今から知ってる人だよ~?」
海彩がのんびり言う。
「いや、まだかかるわっ」
「雪ちゃん人見知りなとこあるからね、しょうがないね」
「まあ……あるけど」
「アタシたちにはグイグイくるのにね~」
「グイグイ来てるのはあんたらです」
「雪ちゃんあたしたちいなくても大丈夫?」
「やっぱりアタシたちが雪ちゃん見てあげなきゃだね~」
「いいよいいよ」
「おっと、そこのお嬢さん。雪ちゃんの席はどこかね?」
瑞葉がすれ違った生徒に尋ねる。
「だから初対面だって!」