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377 こどもだち
「自分の子が同じ歳だったら楽しそうだよね!」
瑞葉は窓ガラスに映る自分の姿に目を向ける。
「楽しそ~。友達みたいだよね~」
同じように海彩も窓ガラスを見た。
「無理があるだろ」
にやけながら空想にふける二人を、美雪が現実に引き戻そうとする。
「あたし、がんばる。がんばるよ!」
「頑張ってどうにかなるもんじゃないよ……」
両手をギュッと握って力を込める瑞葉に、美雪は溜息をこぼした。
「双子とかじゃ、ダメなの~?」
「姉妹じゃ駄目なの! 子供がいいの!」
海彩の提案にも瑞葉は首を振る。
「今更双子も無理だよっ」
思わず美雪がツッコミを入れた。
「あ。雪ちゃんがいたわ」
「いた~」
「わたしはお前らの子じゃないからなっ!」